前回取り上げた北村宏騎手は、先週の日曜に1日6勝の固め打ち。阪神JFや香港に遠征している騎手がたくさんいたので、居残った一流騎手に馬が集中した面があったとはいえ、すごい活躍でした。それだけ、北村宏騎手の「政治力」が上がっている証拠でもあり、先々週レッドベルダに騎乗したのも、その予兆であった可能性が高いのです。この活躍で、さらに馬が集まりそうな予感もあり、これからの活躍に期待です。
今回注目するのはカペラSをダノンレジェンドで逃げ切り、今年重賞3勝目を挙げた丸田騎手です。
その前の2勝(北九州記念、セントウルS)を挙げたリトルゲルダは、同日の香港スプリントに出走。しかし、丸田騎手は乗せてもらえず、M.デムーロ騎手への乗り替わりとなってしまいましたが、その悔しさを晴らす快走劇でした。

その逃げっぷりは完璧でした。必ずしも有利とはいえない、1枠1番を引いてしまいましたが、砂を被ったり、被されたりすると力を発揮できない馬なので、覚悟を決めてハナへ。ハナを獲りきってからも、緩めず、後続の脚を奪う。直線に向いた時にはセーフティーリードで、最後はダノンレジェンドも歩いていますが、それ以上に追い掛けたほうが苦しくなって、大きくちぎってゴールイン。
カペラSは、過去2年、前半3ハロンの通過が34秒台とダート短距離のオープンにしては、かなり緩い流れでした。しかし、決め手に勝る差し馬が離されず楽に追走できたため、切れ味を存分に発揮し、差し馬有利の競馬になっていました。
「肉を切らせて骨を断つ」的な、丸田騎手の頭脳プレーが光った一戦でした。

樋野竜司
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。