先週の函館は、(理由はよくわからないのですが)やたらと時計を要するCコースに変わって、さらに日曜はあいにくの雨。ここ最近では記憶にないくらいのタフな馬場で競馬が行われました。
そんな中で武豊騎手は、9Rの定山渓特別をネコタイショウで大差の圧勝。10Rの支笏湖特別をヤマイチパートナーで差し切り勝ち。メインの札幌記念もトウケイヘイローで楽々逃げ切って、特別レースを3連勝。
かなりスタミナを要求される馬場だったので、普通は直線までスタミナを温存するためにジワッと逃げそうなものですが、ネコタイショウの逃げもトウケイヘイローの逃げも、あえてハイペースで逃げて、後続の馬になし崩し的に脚を使わせる作戦が見事にハマりました。これも武豊騎手の絶妙なペース配分がなせる技でしょう。
それ以上に、武豊騎手の絶好調ぶり感じたのがヤマイチパートナーです。それも騎乗内容ではなくて、馬のローテーションと自分のスケジュールを見事に調整してきた点です。普段は小倉を中心に騎乗しているのでスポット参戦で、函館記念の週に500万下を脱出し、札幌記念の日に1000万下を勝ちました。これは馬の力や適性を完全に把握し、それをレースで思い通りに発揮できる、武豊騎手にしかできない芸当でしょう。
これで賞金的に菊花賞への出走が可能なラインに到達しましたし、母父がリアルシャダイで長距離戦は臨むところでしょう。キズナは凱旋門賞に向かうので、菊花賞でのパートナーはこの馬と考えているのかもしれません。


樋野竜司
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。 斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。