皐月賞は3番人気のドゥラメンテの圧勝でした。鞍上のMデムーロ騎手は皐月賞に7回騎乗して4勝を挙げるという相性の良さを存分に発揮。ただ、直線で外に持ち出すときに他馬の邪魔をしてしまい、Mデムーロ騎手は騎乗停止になるという、ちょっと後味の悪い結果になってしまいました。
先週は、土曜の阪神最終で失格・降着の新ルールを導入後、初の1着降着が適用(1着に入線した菱田騎手のアイムユアドリームが、2着入線のカネトシビバーチェの走行を妨害。妨害がなければカネトシが先着していたと認められたため)されるなど、失格・降着のルールについて考えさせられることが多かった気がします。
新ルールは、レースで示した馬のパフォーマンスを尊重するため、失格・降着となるケースが大幅に減り、その抑止力として騎手への制裁を強化したというもの。
旧ルールは、失格・降着と騎乗停止がセットで行われることが多かったので、失格・降着にならないケースはほとんどが過怠金で済んでいました。10年の朝日杯FSを制したMデムーロ騎手とグランプリボスのコンビは、4コーナーでアドマイヤサガスに致命的な不利を与えてしまい長い審議となりました。しかし、降着は認められず、Mデムーロ騎手も過怠金10万円で済みました。
というわけで、今回の皐月賞のケースを旧ルールに当てはめてみると、「降着なし+過怠金」か「14着降着+騎乗停止」のどちらかでしょう。そして、不利を受けた馬の余力を考えると、降着なしだった可能性が高い。
だれもが納得するルールを作るのは難しいですが、今回の皐月賞の例で考えるなら新ルールの導入で一歩前進した感じがあります。ただ、硬直的な運用しかできないので、違うケースだとまた違った印象を受けると思いますが……。
【M.デムーロ騎手の騎乗予定】
:9日間の騎乗停止により、騎乗予定なし

樋野竜司
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。