前回注目した柴田善臣騎手は、先週も札幌に遠征し、札幌記念のトウケイヘイローに騎乗しました。ここは同型不在なだけではなく、番手からプレッシャーを与えてくるような馬もいない。近走の成績から後続にも舐められそうだから、展開に恵まれるとみていたのですが、レースは1000m通過58秒9と、昨年の札幌記念程ではないものの、かなり速いペースでの逃げとなってしまいました。
そうなった原因に、四位洋文騎手の緻密な戦略があったのではないかと思っています。
四位騎手が騎乗していたディサイファは小島太厩舎の管理馬。小島太厩舎は札幌記念にもう一頭ダービーフィズも出走させています。しかし、どちらが勝負かといえばダービーフィズのほうでしょう。というのは、ダービーフィズは前走函館記念を勝ち、サマー2000シリーズチャンピオンに最も近い存在。ここを勝てば優勝決定だし、上位に食い込めば優勝にグッと近づけるからです。
さらに、四位騎手は昨年の札幌記念でトウケイヘイローに騎乗しており、この馬をクセは把握している。なので、ダービーフィズに不利な流れにならないよう、2番手につけ、トウケイヘイローがペースを落とせないようにし。トウケイヘイローをうまく先導役として使いながら、自分も生きる騎乗をしたように見えたからです。
自分が1着で、ダービーフィズも3着に入ったというのは最高の結果だったのではないでしょうか。
このように四位騎手は前に行くと恐ろしい騎手なのですが、どうして、なかなか前で競馬してくれないのでしょうか?
【四位洋文騎手の騎乗予定】
:土日札幌で計6鞍の騎乗。WAJS開催で騎手が集まることもあり、乗り鞍は少なめですネ。

樋野竜司
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。