先週は菊花賞の最重要トライアルの神戸新聞杯が行われました。結果はダービー2着の圧倒的1番人気エピファネイアの完勝。キズナは凱旋門賞に挑戦するため菊花賞には向かわないので、福永騎手がノドから手が出るほど欲しいクラシックのタイトルをグッと近づけたのではないでしょうか。
本番で不気味な存在になりそうな馬もいました。
マジェスティハーツは若手の森騎手の手綱で2着。しかし、森騎手は通算勝利が30勝に到達していないので、菊花賞には騎乗できません。神戸新聞杯の結果がどうなろうと本番は乗り替わりとなるので、最初から菊花賞では武豊騎手にスイッチする予定だったという噂です。直線の脚はエピファネイアを上回っていたし、高い長距離適性も見せた形。本番では、これに武豊騎手の「戦略力」が加わるので、どういう走りを見せてくれるか楽しみです。
もう一頭、気になったのは藤田騎手が騎乗したヒルノドンカルロです。レースでは、俺が逃げるぞ!!と積極的に前に行きましたが、中井騎手のウインアルザスも何が何でも逃げる構えを崩さず、競り合う形になってしまいました。2400mのレースにしては前半がかなり厳しい流れになってしまったので、直線バテて17着に沈んでしまいました。
しかし、いつものように後続に睨みを利かせた逃げをうって前残りの展開を演出し、ウインアルザスが権利を取ると、本番で逃げ争いが激しくなるかもしれない。競り合ったことでウインアルザスまでバテて権利を取ることができなかったのは、この馬にとってプラスになるような気がします。
セントライト記念で前に行った馬たちも賞金的に菊花賞出走は微妙なので、菊花賞は逃げ先行馬が手薄なメンバーになって、藤田騎手の逃げが炸裂するかもしれません。

樋野竜司
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。