先週は3連休を利用した変則3日間開催でした。この開催を通して感じたことは、騎手の格差がますます拡大しているということです。というのは、先週の騎乗数の多かった騎手を挙げていくと。
内田博騎手……29鞍
戸崎騎手……28鞍
ルメール騎手……26鞍
M.デムーロ騎手……26鞍
和田騎手……26鞍
バルジュー騎手……24鞍
柴田大騎手……24鞍
通常の開催では障害レースを含めた全レースに騎乗しても24鞍までしか騎乗できないのですが、3日間開催になったことで、最大36鞍まで騎乗できる。そうなると、多くの関係者が騎乗してほしいと切望しているM.デムーロ騎手、ルメール騎手、戸崎騎手に依頼が殺到するのは当然でしょう。しかし、パイは限られているのでその裏で騎乗機会を失っている騎手もいるわけです。
今回取り上げるのは、26鞍と精力的に騎乗し、4勝を挙げる活躍をみせた和田竜二騎手です。和田騎手も、M.デムーロ騎手、ルメール騎手の加入により割を食わされたひとりなのではないでしょうか。
というのも、14年は68勝を挙げていたのに、15年は48勝と20勝も勝ち星を減らしてしまったからです。本人も危機感を感じているようで、昨年12月と今年1月にはメインで重賞が組まれていない中京に遠征し、ローカルで活路を見出そうとしたこともありました。
結局、ローカル回りはせず中央場所に専念することになったようですが、これまで以上に馬の質にはこだわらず、数を乗ることで生き残ろうとしている印象です。ただ、好走率は高くないですが、オブリゲーション(11番人気1着)、ダブルイーグル(10番人気2着)など、人気薄での一発に注意が必要でしょう。
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樋野竜司
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。