前回のコラムで蛯名正義騎手が柴田大知騎手のラフプレーに怒り、検量室で詰め寄ったというエピソードを取り上げました。
タイミング良くというべきか、悪くというべきか、先週の競馬でも似たようなシーンがありました。
土曜の福島5レースの新馬戦。蛯名騎手は1番人気のアメイズミーに騎乗。勝負どころで先団に押し上げ、抜群の手応えのまま直線で先頭に並びかける。
しかし、逃げていた柴田大騎手のタイムトリップが4コーナーを回り切ったところで外に膨れ、蛯名騎手を大きく外に弾いてしまったのです。
柴田大騎手はすぐに馬を立て直しそのまま逃げ切り勝ち。蛯名騎手も(レースリプレイでみても容易に想像できるくらいの)鬼の形相で必死に前を追い掛けたのですが、直線でのロスが祟って3着まで。これによって二人の関係がさらに冷え込んでしまったのではないかと心配になりました。
ただ、柴田大騎手はこの日の最終レースでもマイネルネッツに騎乗し外から伸びてきた武士沢騎手のジェイケイライアンの前をカット。柴田大騎手は3着に踏みとどまり武士沢騎手は4着と涙を飲みました。
日曜の福島5レースでも内側に斜行し3万円の過怠金を取られています。レースをみると直線で内から伸びてきたセイウングロリアスを外からブロック。このレースも柴田大騎手は2着、不利を受けた柴山騎手のセイウングロリアスは3着でした。
故意ではないのかもしれないですが、これだけ重なると狙ってやっているようにも思えてくるもの。レースを初めて経験する新馬戦の馬だとなかなかまっすぐ走ってくれないのかもしれないですし、それだけ常にギリギリの攻防を繰り広げているということなのでしょうが、ちょっと気になる傾向です。
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1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
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