9月25日の最終レースをケンベストカフェで逃げ切った内田博幸騎手。これでJRA通算999勝となりました。というわけで、先週は1000勝達成に期待が集まったのですが、結果は17鞍に騎乗し0勝と振るいませんでした。
ただ、この内田騎手の足踏みにはエージェントの高度な戦略があったのではないかと、土曜のレースを見ていて感じました。
というのは、内田騎手があと1勝を挙げられずに何週間も足踏みをすることは考えにくい。
だから、内田騎手と戸崎騎手を担当するエージェントの中村氏にとって、勝たせたいのは現在リーディングを独走中の戸崎騎手のほうではないかと感じたからです。
武豊騎手以外誰もなしえたことがない年間200勝を達成するためには、これから先ひとレースも落とすことができない状況です。
強気な騎乗が持ち味の内田騎手に人気の先行馬を回せば、1000勝達成のために用意された馬と思って、勝ちに行く競馬を選択するはず。内田騎手に逃げ先行馬を苦しめる騎乗をしてもらって、前が止まったところを最後に戸崎騎手が差す。
6レースでは内田騎手がカンデラで逃げて粘るところに、戸崎騎手のブランシェクールの強襲。カンナSも内田騎手のマンカストラップが先行して前崩れの展開を演出。そこに差し切たのが戸崎騎手のタイムトリップでした。
最近の内田騎手、戸崎騎手はGⅠレースの裏で荒稼ぎを狙ってくることも多いので、秋のGⅠが始まってもふたりの動向に注目したいです。

樋野竜司
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。