協力:
  • Googleログイン
  • ログイン
  • 無料会員登録
  1. トップ
  2. 無料コラム
  3. 菊の歴史を塗り替えるラスト5F58秒8の猛威

競馬コラム

2014年10月28日(火)更新

菊の歴史を塗り替えるラスト5F58秒8の猛威

もの凄い菊花賞であった。ラップを振り返れば、スタートからゴールまでの3000メートルを高速でフルに走り切った菊花賞というのは史上初のこと。3000を3つに区切った真ん中の1000、いわゆる各馬がペースダウンする「遊び」の部分でまったく落ちず、あろうことか最後の1000でさらに急加速している菊花賞というのはお目にかかったことがない。

まずはココ3年の通過ラップ(1000メートル毎)をご覧いただきたい。

今年  3分01秒0 (60秒9-61秒3-58秒8)

昨年  3分05秒2 (61秒2-63秒0-61秒0)

一昨年 3分02秒9 (60秒9-61秒2-60秒8)

ラップはゴールドシップの勝った一昨年と酷似しているが、上がりが何と2秒も違う。憶えておられる方も多いと思うが、その一昨年は前と後がそっくり入れ替わるズブズブの競馬。本来なら今年もそうなるべき流れ。因みに三冠オルフェーヴルのラスト1000でさえ60秒1。それが今回は58秒8。前も止まらなかった。先行態勢から4角2番手に上がったトーホウジャッカルがそのまま突き抜けてきたのだ。この緩みない流れを前々で捌いたのだから、当然、レコードが飛び出す。何と菊花レコードを1.7秒も更新した。

原因の第一はGⅠ使用の高速馬場。こういう高速馬場ではわずかな距離ロスが着順に大きく跳ね返ってくる。もちろん、距離ロス云々には枠順の違いもある。菊花はスタートしてすぐに最初の3コーナー。外枠の馬はどうしたって脚を使わされる。今年のワンアンドオンリー(9着)、トゥザワールド(16着)など、まさに外枠に泣かされた典型であった。ことにワンアンドにとって前を行くトゥザは、コレと決めた当面の相手。ワンアンドが動けば、知らず隊列が速くなるのも仕方ない。

いずれにせよ、こういう緩みのない流れを破格のレコードで制したトーホウジャッカルは強いという他ない。内枠が良かった、距離ロスがなかったというのは勝因の補足にすぎない。今回のメンバーで3000を走らせれば一番強いということは、「遊び」なしのラップで走り切った菊花賞が証明している。

ひいては血統だろう。タイトな流れの中、フルに3000を走り切る競馬ではそれが出る。

トーホウジャッカルはもとより、デットヒートを繰り広げた2着サウンズオブアース、3馬身半の水が開きながら3着を死守した3着ゴールドアクターも血統にスタミナを内包したステイヤー。逆に人気のワンドアンドオンリー、トゥザワールドには血の裏づけがなかったということになる。

【菊花賞の結果はこちら】

プロフィール
清水成駿

1948年東京都生まれ。明治学院大学卒業と同時に、 競馬専門紙「1馬」に入社。旧東京系のトラックマンを担当。 そこで馬を見る類まれな才能を高く評価され、 20代の若さで競馬評論家となり、35歳と異例の速さで取締役編集局長に就任。競馬の見方を180度変える斬新な推理は、旧体質の予想界に新風を吹き込み、高配当を次々に的中。予想欄に一人ポツンと打った「孤独の◎」は、ファンの熱烈な支持を集め、 今でも語り継がれている「穴の清水」の代名詞となる。

  • twitter
  • facebook
  • g+
  • line