協力:
  • Googleログイン
  • ログイン
  • 無料会員登録
  1. トップ
  2. 無料コラム
  3. 勝負師スミヨンに導かれ、エビファネイア躍動

競馬コラム

2014年12月02日(火)更新

勝負師スミヨンに導かれ、エビファネイア躍動

ジャパンCはテン乗り仏スミヨンの4馬身楽勝。エピファネイアはそう切れる馬ではない。だから叩き合いの辛勝はあっても、2着以下をちぎることなど想像だにしなかった。

これも世界№1スミヨンの腕。今やターフを華麗に舞った往年のデットーリを彷彿させる騎乗。いや、腕っ節ならスミヨンの方か。

掛かり癖のある500K近い大型馬をくるぶし一つで押さえ込む欧州仕込みの技術。腕力もある。エピファネイアはその技術に丸め込まれた。だからスタートからゴールまで従順に従った。

それに馬場や枠順&展開ともエピファネイアに味方した。が、それがあってもエピファネイアの4馬身勝ちは誰にもできまい。今年のJCはここ一番の大舞台に強い勝負師スミヨンのパワー全開 に尽きる。

エピファネイアの勝ちタイムは2分23秒1。良馬場発表ながらかなり下の緩い馬場。馬場差は1秒ちょっとあった。例年のようなパンパン馬場であれば、デットーリがアルカセットで打ち立て た11年のレコードに匹敵する時計。

これを3番手で直線半ばまで追い出しを待つ余裕があれば、誰もこの馬をとらえることはできない。ラスト1Fで逆に着差が開いた。

エピファネイアは押さえ込んだところでそう切れない。切れ味よりスタミナであることは不良の菊花楽勝が証明している。

まさか切れ味のJCがスタミナのJCに変貌するとは思いもよらなかったが、一貫して速く、上がりのかかるレースが合っているのだろう。次の有馬も自分から動いて、自分のペースに持ち込め るかどうかだ。福永にかかっている。

力の勝負になれば切れ味の牝馬に出番はない。ジェンティルドンナ=4着、ハープスター=5着、デニムアンドルビー=11着。

ジェンティルは絶好の内枠からロスのない完璧な競馬で4着。馬場より年齢的な衰えだろう。ハープは勝ち切るまではともかく、まともなら2着があった。3コーナー過ぎで故障発生のトレーデ ィングレザーと接触、進路を大外に切り替えねばならなかった。よく落ちなかったというのが正直なところ。これも勝負ごとである。

いずれにせよ、これで牝馬の連勝が途絶えた。「牝馬のワンツースリーまであるのではないか」と睨んだ当方の読みはとんだお門違い。得た教訓。人気が被りすぎた牝馬にはトゲがある。あまり に信用しすぎると痛い目に合うということか。それでもJCの負けは最後の京阪杯で取り戻させて貰った。だから競馬はやめられない。

  【ジャパンCの結果はこちら】

プロフィール
清水成駿

1948年東京都生まれ。明治学院大学卒業と同時に、 競馬専門紙「1馬」に入社。旧東京系のトラックマンを担当。 そこで馬を見る類まれな才能を高く評価され、 20代の若さで競馬評論家となり、35歳と異例の速さで取締役編集局長に就任。競馬の見方を180度変える斬新な推理は、旧体質の予想界に新風を吹き込み、高配当を次々に的中。予想欄に一人ポツンと打った「孤独の◎」は、ファンの熱烈な支持を集め、 今でも語り継がれている「穴の清水」の代名詞となる。

  • twitter
  • facebook
  • g+
  • line