過去10年で3連単100万超の大万馬券が2回飛び出すなど、GⅠの中でも特に荒れ模様の高松宮記念。こうなったら人気薄の馬をバンバン挙げてもらうか。
「1番人気は8連敗中、ここ5年で2桁着順が3回と酷い結果。これだけ見たら穴馬探しに力を入れたほうがいいかもしれませんが、2番人気は連対率70%、3番人気も連対率こそ20%ですが複勝率は50%と、上位人気も好結果を残しています。難解な穴馬探しをするなら、まずは軸になる上位人気候補を見つけ、そこから穴馬に流したほうがいいような気もします」
穴馬縛りをしようと思ったが、ならば人気に拘らず推奨馬を挙げてもらおう。
「いきなり穴馬探しじゃなくて良かった。こちらが推すのは上位人気候補のナムラクレアだからね。近年のスプリント路線は主役不在で、有力馬の成績も不安定。だから波乱も多くなるんだけど、そんな中にあってナムラクレアは1200mのGⅠに限定すれば4戦連続馬券圏内。高松宮記念は昨年、一昨年ともに2着だから信頼性はめちゃめちゃ高い。
更に勝った前走の阪神Cから、ルメール騎手が主戦を務めてくれることになったのも心強い。坂路で好時計を連発しているように仕上がりも問題なし。鞍上強化で、待望のGⅠ制覇が見えてきたね」(情報担当)
レース解析班も「過去のレースを見ても、ケチをつける部分はないです」と好評価。
ただデータ班は、「連敗中の1番人気に支持される可能性が最も高そうな馬。そこだけが不安」。1番人気が弱いジンクスはともかく、馬自体は軸候補だろう。
そのデータ班は、サトノレーヴを挙げる。
「過去10年、前走香港スプリントから臨戦の馬は8頭出走し、2勝、3着1頭で、複勝率37.5%。今年はサトノレーヴ、トウシンマカオ、ルガルが該当しますが、3着と最先着のサトノレーヴでいいと思います。前走に続きモレイラ騎手が騎乗してくれることも大きいですからね。左回りは初めてですが、兄のハクサンムーンは高松宮記念で2、3着が1回ずつあるので大丈夫と見ます」
解析班の評価はネガティヴなようだ。
「左回り初体験の舞台がGⅠは、やはり気になります。それに洋芝の北海道で重賞2連勝しましたが、超ハイペースのスプリンターズSは7着。1.07.1秒の高速決着となった昨春の春雷Sも、前の馬を交わすのに苦労しています。香港では好走したけど、時計が速くなる日本のスプリントGⅠは厳しいのでは」
では解析班のイチオシは?
「ルガルです。昨秋のスプリンターズSは、3F通過32.1秒の速いペースを、好位追走から押し切り。展開が向いたはずの差し馬勢を抑え、着差以上に強かったと思います。昨年の高松宮記念はレース中に骨折、前走の香港スプリントは出遅れて自分の競馬ができずに終わりと、大敗の2戦は敗因あり。馬場が悪くなると微妙ですが、良馬場時の高松宮記念勝ち馬は好位付けの馬が多いので、脚質的にも合っています」
ただ近年の高松宮記念は道悪ばかり。
「そうなったら、昨年の覇者マッドクールを推します。高松宮記念を含め中京1200mは好成績を残しており、コース適性も他馬より上です」(解析班)
GⅠ馬ママコチャはいかがだろう。
「この馬は暖かいと好結果、寒いとイマイチと言われているからね。当日の気温が上がれば、評価も上げていいんじゃないか」(情報担当)
最後に、波乱傾向が強いレースにあわせ、お奨めの穴馬がいたらお願いしたい。
「先行馬はいるけど、飛ばす馬はいないので、展開的にバルサムノートは有利じゃないでしょうか。中京の1200mは、2走前の淀短距離Sでソンシの2着。勝ち馬は高松宮記念に出ていたら有力だった馬ですから、評価できる結果だと思います。近走の大敗はマイルGⅠやダートなど適性の合わないレースばかり。1200mなら見直せます」(解析班)
データ班は、トゥラヴェスーラを推す。
「高松宮記念は、2021~2023年と連続して出走し4、4、3着。人気は16、7、13番人気ですから大健闘です。当然、適性も合っているのでしょう。昨年は不出走、年齢は10歳で、好走は昔の結果と言われるかもしれませんが、近走も勝ち馬から大きく負けていないように衰えは感じられません」
穴馬も紹介していただいたので、そろそろまとめたい。
3者がイチオシのナムラクレア、サトノレーヴ、ルガルが軸候補。高松宮記念は1番人気が苦戦も、2、3番人気は好結果を残しているので、前記3頭で2、3番人気に該当する馬がいたら、その馬を軸にしたい。該当無しなら、波乱傾向の性格にあわせ、3頭の中で最もオッズがつく馬を軸にしたい。
もちろん、穴で挙がったバルサムノート、トゥラヴェスーラもヒモには加えておきたい。
栗東在住ライター:鷲崎
WASHIZAKI
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