5週連続のGⅠを終えた東京開催だが、開催は3週残っている。今週はエプソムCがメイン。例年混戦模様が多く、馬券的には楽しみなレースである。今年も頭を悩ませるメンバー構成だが、そのぶん的中したときの見返り(配当)は大きい。果たして、馬券のキモになる馬は?
実績馬にベテランが多いので、注目は若い馬に集まる。4歳馬で人気を集めるのがアストラエンブレムだ。
「2歳時の夏の未勝利戦で、上がり3F32秒6の高速上がりで大楽勝。新潟なので時計的な価値はないと見る人もいましたが、余裕をもって出したもので、重賞級は間違いないと思いましたね。しかし体質が弱く、馬体重も減り続け、なかなか強い調教もできませんでした。おかげでレース内容も物足りず、あと一押しの効かないレースばかり。ただ古馬になって体質強化され、調教も強くできるようになると、成績も向上。2走前の大阪城Sを差し切った時は、阪神で上がり32秒8。これは価値が高いと思います。前走のメイSも2着ですが、上がりは33秒1。終いは確実に伸びてくるようになり、安定感を増している今なら、安心して馬券を買えます」(競馬専門誌記者)
母はGⅠウイナーのブラックエンブレム、半兄に重賞ウイナーのブライトエンブレムと血統的にまだまだ伸びしろのある馬。エプソムCだけでなく、先々まで楽しみが広がる一頭だ。
一方、関西勢はどうなのか。
「関西馬は全体的に推せる馬は多いけど、抜けた存在はいないかな。一長一短のある馬が多いからね。前走のヴィクトリアマイルで穴をあけた(2着)デンコウアンジュは、安田記念を使うプランもあったが、相手を考慮してエプソムCへ。ならば牝馬限定戦のマーメイドSという手もあったが、距離や東京コースへの適性を考えたようだ。牡馬相手になるけど、ヴィクトリアマイルの相手に比べると劣るメンバー構成。この選択は当たっているんじゃないかな。
ベテランではヒストリカルだね。前走のメイSは極端な先行有利のレースで、実際前へ行った馬がそのまま雪崩れ込んで決着したレース。そんな展開で唯一後方から4着まで上がって来たし、上がり32秒台の脚を出したように8歳にして衰えもない。昨年の毎日王冠でも3着と東京芝1800mは合っている。時期的に外差しが効いてきてもいい頃なので、狙い頃でもあると思う」(関西記者)
このあたりが東西の有力のようだが、穴の雰囲気もプンプンするエプソムC。もっと夢を感じさせる馬はいないのだろうか。
「マイネルミラノ、マイネルハニーはどちらも先行馬ですが、当然競り合うわけないですし、逆にマイネルが複数の先行馬を出す時は残ることも多いので注意したいですね。しかも、両馬ともに馬券が売れるタイプではないので、そこは美味しい部分。どちらを狙うかは難しいのですが、マイネルミラノは前走勝ってしまったのが逆に嫌ですね。それならマイネルハニーのほうが好走する番ではないでしょうか。前走は大敗ですが、マルターズアポジーのつくったハイペースに巻き込まれたのが敗因と見ます。これを除くとマイル~2000mでは安定しており、昨年のチャレンジCはコースこそ違えど1800m戦で、結構骨っぽいメンバーに勝っています。エプソムCはペースも落ち着きそうなので、大敗後で人気が落ちた今回こそが狙い目です」(専門誌記者)
関西にも穴馬のお薦めを聞きたい。
「人気が読めないメンバーで、穴馬がどれかも難しいんだけどね。パドルウィールあたりは、さすがに人気はないかな。昨年の金鯱賞2着は、勝ち馬がヤマカツエースで、これとクビ差だから価値は高いと思うよ。その後の大敗は調子落ちもあったようで、一度リフレッシュさせて調子は良くなってきている。金鯱賞2着の他、中京2000m戦でレコード勝ちしているように左回りはいい馬。ここは勝負をかけてくる雰囲気だ」(関西記者)
どうやら穴馬は先行脚質。開催も後半で馬場状態が微妙だが、もし内有利の状態にあれば、穴馬で挙げた先行勢を。逆に外差し馬場ならデンコウアンジュ、ヒストリカルを薦めたい。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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