新潟の開幕を飾るのは、名物の直線1000メートルで行われるアイビスサマーダッシュ。重賞勝ち馬も少なく一見物足りないメンバーだが、千直コースに長けた馬も多く、激しいレースとなろう。
実績で頭一つ抜けているのはネロ。前走こそ大敗したが、2走前の京阪杯を4馬身差の楽勝。千直コースも5戦2勝2着3回と連対パーフェクトで、昨年のアイビスSDでも2着に入っている。
「前走後はどこかで使う話もあったが、結局アイビスSまで休む形になった。延ばした分だけ、ここは勝負度合も高い。鞍上が内田博騎手から戸崎騎手に替わったのも陣営の勝負の表れ。斤量は重いけど、それ以上に舞台設定が合うことのほうが大きい」(関西記者)。
ここまで使わずにアイビスSDを待っていたのなら、当然大勝負だろう。そのネロに実績では劣るが、上昇力で迫るのがフィドゥーシア。ここ4戦で3勝。現在オープン特別を2連勝中である。
「前走の韋駄天Sは初めての千直だったが、シンボリディスコ、ラインミーティアなど、千直常連の馬を破ったのは大きい。前走後はここ1本に調整し、1週前にも強い調教を行い一追い毎に良くなっている。今のデキならやれると、陣営も自信を持っているよ」(関西記者)
成長めざましいうえに、夏に強い牝馬。ネロにとっては脅威の存在だ。
セントウルS以来久々の重賞を狙うのがアクティブミノル。一時は不振だったが、CBC賞3着で調子は戻りつつある。
「前走は惜しい3着だったが、ハミ受けも良くなり、いい頃に戻って来た。1000mは初めてだが、先に行ける脚があるので心配はなかろう。昨年の高松宮記念4着時の時計が1分7秒1。速い決着も大丈夫」(関西記者)
1000mの実績こそないものの、戦ってきた相手を考えれば1000m戦のメンバーは楽だ。
関西勢に比べ関東勢は重賞実績で劣る馬が多いが、そのぶん馬券的妙味は高い。
「関東馬ではシンボリディスコですね。2年前のアイビスSDで2着。前走の韋駄天Sも7番人気ながら2着に入っています。直線1000mコースは4戦して勝利こそないものの2着3回、3着1回と堅実。2年前のアイビスSD以降は、当コース以外で全く馬券に絡んでいませんから、このレースは絶対勝負のレース。思い切り仕上げてくるはずです。
もう一頭挙げるならレジーナフォルテでしょうか。1000万を勝ったばかりで格下ですが、ここ7年でも条件クラスの馬が3頭馬券になっていますから、それほど気にしなくていいと思います。
前走の1000万特別は、2F目から10秒台が2つ続く厳しいペースを、2番手で追走しての押し切り。展開を考えれば、着差以上に強かったと思います。直線1000mコースは2歳時に一度走っていますが、55秒0のレコードで5馬身差の楽勝。もしかしたら結構なスペシャリストかもしれませんよ。3歳牝馬なので、斤量の恩恵も大きいです」(競馬専門誌記者)
ネロ、フィドゥーシア、アクティブミノルら関西勢が有力も、穴を狙うなら関東勢。千直スペシャリストのシンボリディスコ、そして新たなスペシャリスト候補レジーナフォルテが馬券的にはお奨めだ。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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