夏のローカル開催も今週で終了。3場ともに重賞レースが行われるが、唯一の古馬重賞が新潟記念。ハンデ戦ということもあり、ここ10年で100万馬券を筆頭に、55万、31万、27万など3連単で10万円を超える配当が8回もあり、穴党は力が入るレースである。そんな波乱の匂いは、情報を聞いているだけで漂ってくる。
「関西のほうは、自信をもって推せる馬が少ないねえ。本来なら有力馬がひしめく角居厩舎が3頭出しだから、ここを探っていけば有力馬に行きつく。でも予定しているハッピーモーメント、フルーキー、ラストインパクトは、年齢的に見ても大きく変わらず、あまり推せるムードでもない。一応挙げるなら、目黒記念で3着したハッピーモーメント。状態は、他の2頭よりいいという話だし。
他の厩舎では、小倉記念を勝ったタツゴウゲキが勢いから押したいが、前走は鞍上がうまく乗った感もあるし、重賞を勝ったことでハンデも増えるからね。
カフジプリンスも左回りのほうが幾分マシというが、勝負所でズブいし、2000mも短い。スピリッツミノルも、いろいろと手を尽くしているが、なかなか結果が上がってこない。ロイカバードも前走はハンデが重かったとはいえ、相手に恵まれたレースを落としたし、この馬自身古馬になって重賞では苦戦してるからな」(関西記者)
と、なかなかポジティヴな話が入ってこない。ようやく前向きな話が出てきたのはトーゼンバジルだ。
「春の天皇賞以来になるけど、ここを目標につくってきており、仕上がりはいいようだ。なにせ仕上げ上手の藤原英厩舎だから、そのあたりは抜かりない。重賞勝ちはないものの、阪神大賞典ではサトノダイヤモンド、シュヴァルグランの3着。もともと重賞の一つや二つはすぐに勝てると言われていた素質馬で、ここで初重賞制覇でも驚かないし、遅すぎるくらいだよ」
ようやく関西から明るい話が聞こえてきたが、関東勢はどうなのか。
「抜けた馬はいませんが、条件付きで買える馬はいます。
惜しくも初重賞勝ちとはなりませんでしたが、アストラエンブレムはエプソムCで半馬身差2着。1週前調教でも好時計を出し、今度こそ重賞制覇という意気込みが伝わってきます。不安は、ここ2戦2着に惜敗しているように、あと一押しが効いていないところでしょう。新潟は直線が長いですから、最後に差し負ける可能性はあります。
それから七夕賞2着のマイネルフロストも近走は安定していますし、春の新潟でも2着と好走し、コースは合っていると思います。
ソールインパクトは七夕賞で3着と、ローカル重賞なら通用するところを見せました。この馬は4勝で、2着は4回、そして3着は10回もあります。七夕賞のときも、『また3着だろう』という話が出ていましたが、案の定の結果です。
今挙げた3頭は全て上位で安定していますが、近走は2、3着が多い馬。3頭ともに馬券には入れても、頭は微妙ですね」(競馬専門誌記者)
2、3着付けには良さそうな3頭だが、肝心の頭を獲れる馬はいないのか。
「そこが難しいですね。函館記念を勝ったルミナスウォリアーが勢いで連勝も期待したいですが、これもハンデが増えますからね。新潟コースは3戦2勝で得意なのかもしれませんが、洋芝の重馬場で函館記念を勝った馬が、真逆に近い新潟の重賞を連勝するかは難しいですね。ハンデと言えば、3歳馬のウインガナトルは軽くなりそうなので狙いが立ちますが、馬自体が新潟の速い上がりに対処できるか不安なところです」
悪くはないが、どうも気勢の上がる馬が少ない。新潟記念はどんなレースになるのか。
「これまでの傾向を見ると6、7歳のベテランが穴を開けるケースが多いですし、当然人気薄だから近走成績も悪い。こうした馬を思い切って狙うのも面白いと思います。
今年の出走予定馬なら、まずは7歳のトルークマクト。ここ3戦10,6,15着ですが、前走以外はそれほど大きく負けていません。前走は距離が長かったとも思えますし。4走前の大阪城Sでは13番人気の人気薄で、今回人気になるであろうアストラエンブレムとクビ差の接戦をしていますし、33秒0の脚で2着。この脚があれば、新潟も行けると思います。
角居勢の3頭も7歳ですが、人気薄で面白そうなのはフルーキーですね。新潟大賞典では57・5キロを背負って4着。上がり目はありませんが、現状でもまだ戦えます。もう少しハンデが軽くなれば買いたいですけどね」(専門誌記者)
せっかく混戦状態ならば、人気薄を買ったほうが得策なのは当然。特に新潟記念は6,7歳馬が穴を開けていることに着眼し、人気薄のベテラン勢を積極的に狙いたい。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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