春の短距離チャンピオンのセイウンコウセイをはじめ、ビッグアーサー、レッドファルクスら短距離GⅠ勝ち馬がスプリンターズSへ直行。CBC賞を勝ち、新たな短距離の主役候補と見られていたシャイニングレイは、脚部の疲れから調整遅れ。そのためスプリンターズSの前哨戦セントウルSは、GⅡの格付けながら少々低調な顔ぶれ。どの馬にもチャンスがありそうである。
「本来ならGⅠ級の馬がここから復帰して、もっと盛り上がるんだけどねえ。そんな馬がいないのなら、メラグラーナにチャンスがまわってくるかな。去年の夏に1000万特別を勝ったあたりから快進撃が始まり、初重賞勝ちのオーシャンSまで5戦4勝。負けたのは道悪の京阪杯だけだからね。この上昇力から、手薄な今の短距離戦線ならGⅠでもって思ったが、高松宮記念は10着。続くCBC賞も10着と突然崩れてしまった。ただ陣営の話では2戦ともに馬場が悪かったり、不利があったりと敗因はしっかりあると話していたから、それほど気にしなくてもいいのかもしれない。それにしても負け過ぎだけどね。休養明けでオーシャンSを勝ったように、久々は大丈夫だが…。
久々と言えば、ダンスディレクターも気になるところ。こちらはシルクロードSを勝った後に故障して、それ以来のレース。その前走で破ったセイウンコウセイが、次戦でGⅠの高松宮記念を勝ったのだから、休養は悔しかっただろうね。この馬も休養明けは大丈夫なクチだが、京都に良績が集中し、阪神はあまり良くない馬。ここを叩いて京都が勝負の匂いはする。この2頭が実績、能力とも上だが、絶対的な存在ではないね」(関西記者)
では、他に上位候補はいるのか。
「それがいないんだよね。北九州記念からの転戦組も、負けた馬ばかりだし。強いて挙げればアイビスサマーダッシュから来るフィドゥーシアかな。その前走は完璧に勝ちに行ったレースだが、勝ったと思ったところでラインミーティアに差されてしまった。負けたけど内容は濃く、近況はいいね。開幕週の馬場もいいと、陣営も再度強気だよ。問題があるとすれば1000mを2戦していること。1200mで行きたがると危ない」
調子の良さでは、先の2頭を上回るフィドゥーシアだが、この馬とて不安がないわけではないようだ。では関東勢はどうか。
「実績ではスプリンターズS勝ち馬のスノードラゴンですが、さすがに勝ったのは3年前。開幕週の馬場もプラスとは思えず、あまり薦められません。勢いがあるのはアイビスSDを勝ったラインミーティアですが、1000mのスペシャリストの色が濃くなってきて、1200mでは狙いにくいです。とはいえ他にも薦められる馬がいませんので、結局スノードラゴンになりますか。前走はハンデ戦のCBC賞で58キロを背負って5着。今回は別定戦で57キロですから」
一度否定した馬を再度挙げてくるあたり関東勢も手薄なようだ。
名が挙がった馬の中では、特に強く狙ってみたいと思える馬はおらず、せいぜいメラグラーナ、フィドゥーシアあたり。今年のセントウルSは思い切った穴狙いに出ても良さそうである。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
WASHIZAKI
熟練競馬ライター達がとある事情で新聞・テレビなど一般メディアでは取り上げられない業界の「アウトな裏話」を会員様限定でこっそりと公開!