GⅠが続く秋競馬だが、今週はGⅠの無い変則3日間開催。GⅠは無いものの、重賞は4つ行われる。中でもメインとなるのが伝統の長距離重賞アルゼンチン共和国杯。ハンデ重賞なので波乱が多いというイメージだが、意外にも過去7年の3連単は10万超えが一度もなし。昨年は1万円にも届かず、他も近5年で1万円台が3回と、ハンデ戦とは思えないほどおとなしい。今年も波乱はないのか。
「こんなことを言ったら悪いが、長距離戦はピークを過ぎた高齢馬が多く、今年も馬名は挙げないけど終わっている馬がいるよね。こうした馬が穴を開けるケースは少なく、結局有力馬同士で決着するケースが多いんだ。レース結果を見ても、4、5歳馬の決着が目立っているからね」(関西記者)
ただ今年の4,5歳勢を見ると、格上げ初戦のブライトバローズのほか、オープンで少々頭打ち状態のサラトガスピリット、条件クラスのソールインパクトなど穴馬レベルの馬ばかり。これなら6歳以上の馬でも行けるのではないか?
「今年のメンバーなら、ピークを過ぎている馬でも何とか行けそうだな。そろそろ狙い時なのはデニムアンドルビーだろう。ジャパンCや宝塚記念で2着したときとは比べようがないが、それでも近走は鳴尾記念で勝ち馬から0・4秒差、オールカマーは0・5秒差と、それほど大きく負けているわけではない。最近はダートを使ったり、距離やコースが合わなかったりと苦しい競馬を強いられているが、東京の長距離は、近走ではベストの条件。久々に大駆けがあってもいい」(関西記者)
関東では、実績上位のアルバートの評価が高い。
「GⅠでは厳しいですが、GⅡ以下で距離2500m以上のレースでは、7戦5勝2着1回で、連を外したのは日経賞の4着のみと安定しています。昨年のアルゼンチン共和国杯は2着でしたが、その時の勝ち馬シュヴァルグランのような強い馬がいない今年は勝機です」(競馬専門誌記者)
1番人気になりそうだが、堅めのアルゼンチン共和国杯の傾向を考えると、この馬の上位も堅いのかもしれない。
ただ今年のアルゼンチン共和国杯には例年と違うところがある。有力3歳馬が出走してきたことだ。
「ダービー2着のスワーヴリチャード、3戦3勝のセダブリランテスは注目が集まりますね。
スワーヴリチャードはダービー後の疲れがなかなか取れず菊花賞に間に合いませんでしたが、もともと左回りのほうがいい馬なので、ここが目標になったことがプラスになるかもしれません。1週前のCWでは上がり12秒を切る時計を出しているように、仕上がりも良さそうです。
セダブリランテスは挫石でセントライト記念を回避し、菊花賞もスルー。無理しなかったのが良かったか、ここへ来て調子を上げてきて1週前のウッドでは66秒、上がりも12秒前半の速い時計を出しています。
3歳なのでハンデの恩恵もありますし、他の出走馬にピークが過ぎた馬が多いので、上積みの大きい3歳馬は有利じゃないでしょうか」(競馬専門誌記者)
2年前にはダービー9着のレーヴミストラルが菊花賞を使わずアルゼンチン共和国杯に出走し3着と、3歳馬の好走例もある。例年強い4,5歳馬が手薄な今年は、3歳勢を狙うのもアリだ。
栗東在住ライター:鷲崎
WASHIZAKI
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