かつては有馬記念組の多くが出走し盛り上がったアメリカJCCも、最近は厳冬期の1月を休養時期に充てる馬が多く、メンバーも手薄になってきている。
しかし今年は、アノ馬の出走で例年以上に注目度を増している。アノ馬とはゴールドアクターのことだ。3年前の有馬記念を勝ち、2年前の有馬記念ではサトノダイヤモンド、キタサンブラックと少差の3着、昨年は宝塚記念でサトノクラウンの2着と、長きにわたってハイレベルの競馬を展開している。
その宝塚記念以降は不安が出て休養。有馬記念に出走という噂もあったが、無理せず回避し、アメリカJCCを復帰戦に定めた。
この馬が復帰するだけでも嬉しいのに、鞍上は武豊騎手に決定。主戦である横山典騎手がミッキースワローに騎乗するため、今回限りの代打の可能性もあるのだが、もし武豊騎手がこのまま手綱を握るのなら、引退したキタサンブラックに代わる名コンビ誕生ということもある。
そのためにも、ここはあっさり勝って欲しいところだが、問題は宝塚記念以来のレース。仕上がりはどうなのか。
「2週前調教は、美浦ウッドで楽に66秒台をマーク。さすがGⅠ馬という雰囲気でした。ただ1週前は同じ66秒台でも上がりがかかり、併せたリヴェルディに突き放されてしまいました。時計は出ているし、遅れもかなり追走してのもので仕方ないとは言えますが、最後に離されたのは嫌ですね。目標は先(大阪杯)ですし、休養明けのGⅡでは、さすがに無理な勝負はしないでしょう」(競馬専門誌記者)
あと1週あるので更なる上積みは見込め、能力から8分でも勝てる可能性はある。ただ、そんなに簡単な相手なのか。
立ち塞がるのは、昨秋に大暴れした明け4歳勢。横山典騎手が手綱を取るミッキースワローは、菊花賞以来となる。
「ウッド70~73秒を馬ナリと軽い調教ばかりですが、今の美浦ウッドはかなり時計が出にくいので、字面ほど悪くはありません。アメリカJCCと同じコースのセントライト記念を快勝しており、ここは目標にしてきたレースでしょう」
関西からはダンビュライトが遠征してくる。
「かなり馬場が重かった菊花賞の反動が怖かった前走だが、難なく快勝し、条件戦では力が違うところを見せつけた。豪快に外から差し切るというタイプではないので、中山コースはいいだろう。実際弥生賞、皐月賞で3着しているし。関西馬は有力馬が少ないので、ダンビュライトに期待が集まるよ」(関西記者)
4歳馬なら、この馬も有力という声は多い。
「レジェンドセラーがようやく本領を発揮してきました。デビュー時から期待が高く、2戦目から8戦連続1番人気に支持されたことでも、それは分かるでしょう。決め手がなく上に来るまで時間はかかりましたが、ここ4戦で3勝。前走も着差こそハナ差ですが、苦手な決め手勝負を制したのは成長の証です。相手なりに走れるタイプなので、初めての重賞でもしぶとくい上位に食い込む可能性はあります」(競馬専門誌記者)
5歳以上の馬には目ぼしい馬がいないようなので、ゴールドアクターの相手になるのは明け4歳勢となりそうだ。ただゴールドアクターの人気と状態のバランスを考えると、馬券的には危険な匂いがプンプンしている。
(美浦在住ライター:高木)
栗東在住ライター:鷲崎
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