シンザン記念で圧倒的な人気を集めたミッキーアイル。京都のマイルで1分32秒3の時計をマークし、ウオッカが阪神JFで出した2歳マイルレコードをコンマ8秒も更新。ひいらぎ賞でも、GⅠの朝日杯を上回る時計で楽勝し、今年最高の大物ではないかと評判もあった。 それだけに、どれだけの強い競馬を見せてくれるか楽しみだったが、ウインフルブルームの追撃を受け、半馬身差まで詰め寄られてのゴールとなった。勝ちタイムの1分33秒8も、1週前の新馬と同じ。これには「期待外れ」の声も一部からあがっていた。ミッキーアイルとは、この程度の馬なのか?
「脚の回転も速く、素軽いフットワークから生まれるスピードはピカイチだ。ただ今回は、時計を見ても、いつものミッキーアイルでは無かったね。時計のかかった中山マイルで1分34秒2。開幕週ほどではなかったものの、速い時計の出ている京都で1分33秒8は、中山戦のときほど走れていない。前回の反動があったのか、入れ込みによる消耗でもあったのか。いずれにしても、本物のミッキーアイルで無かったことは確か。
賞金を積んで休養に入れられるので、心身ともにリフレッシュすれば、ひいらぎ賞のような競馬ができる。そうなればマイルでは敵がいないんじゃないかな」
とは専門誌の記者。断然人気を考えるとレースは物足りなかったが、この話を聞くと確かに、ミッキーアイルが全能力を発揮したとは言い難い。むしろ、それでも勝ったことに改めて能力の高さを感じることもできる。次戦もやはり主役の扱いが必要になりそうだ。
先週は他にも3歳戦で注目のレースが幾つかあった。フェアリーSは、出走全馬が1勝馬というメンバー構成。良血のオメガハートロックが1番人気に応えて勝利をモノにした。
「デビュー前から調教の動きが良く、高い評判になっていた馬。実際新馬も着差以上の内容で勝ったからね。ただ今回は馬体が減って体調が悪いという情報が厩舎からも出ていたが、実際デビュー前に比べると調教も物足りず、調子が良くなったのは間違いない。それでも勝てたのは、この馬の能力が高いのか、相手が弱いのか。
次へ向けては間隔を開けて馬体をフックラさせて欲しいね。距離が延びていいタイプなので、この際桜花賞は捨てて、フローラSからオークスでもいいような気がする。それなら馬券で狙ってもいいが、桜花賞なら輸送が入るから買いたくない」(専門誌記者)
オメガハートロックの評価は次回まで持ち越しだが、馬体が増えないと、この先は厳しくなる。
新馬では、土曜日京都で勝ったディープインクト産駒のチョコレートバインが目を引いた。
「4コーナーをまわったときは逃げ馬との差がかなりあったので、今の京都では届かないと思った。そんな位置からの差し切り。最後は勢いに乗って抑えたままのゴールで、能力は光ったね。線が細いので叩いた後が問題だが、順調なら関東では一番の桜花賞候補かも」(専門誌記者)
ディープインパクト産駒から期待の牝馬が誕生したが、日曜日は同じディープ産駒の評判馬トーセンデュークが圧倒的な人気を得ながら、3着に敗れた。
「皮膚が薄く、馬体の良さが目立った。同厩でディープ産駒のトーセンラーとも似ているよ。今回は届かず3着だったが、叩いた次は確勝だろう。将来性は十分だ」
新たな期待馬誕生は、やはりディープインパクト産駒。今年のクラシックも、ディープ産駒を中心に構成される雰囲気だ。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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