出走を予定していたワグネリアンが回避したことで、3代ダービー馬対決が実現しなかったのは残念だが、それでも今年の天皇賞・秋は、ダービー馬に注目が集まっている。
「やっぱりマカヒキが本当に復活なったのかってところは重要だよね。昨年の秋は見せ場も無かったが、今年は札幌記念で復帰して、いきなり2着。長期休養明け、小回りコース、洋芝の稍重馬場と不利な条件の中、ハナ差2着は評価できると思う。調教も週毎に良くなっているし、1週前もラストの伸びが良かった。昨秋のようなことはないだろう。だからといって、あの札幌記念一発で完全復活とは言い切れない。いい頃なら、もっとアッサリ勝っていただろう」(関西記者)
と昨秋に比べると良くなりつつも、完全復活と言い切るのは難しそうだ。
レイデオロはオールカマー勝ちで順調だったが、ここへきて不安材料が出てきた。
「1週前調教では、鞍上が引っ張って馬を止めるような仕草を見せて追い切りを終了。その後騎手が馬から降りたので、故障か?とざわめきました。結局、馬場に脚を取られてリズムを崩し、無理をしなかったということだったので、故障じゃなかったのは良かったです。ただ1週前調教を予定通りにできなかったのは、GⅠ前だけにちょっと嫌ですね」(競馬専門誌記者)
大したことが無かったのは幸いだが、大一番の前にアクシデントが起きたことは、良く流れではない。残り1週の調整が難しくなった面はあるだろう。
そのほかの有力馬の近況を探っていく。
「関西ではスワーヴリチャードがいいね。1週前調教は折り合いを重視した内容だったが、スムーズに走れていたし、それでいて時計も速かった。春は大阪杯を勝ったが、もともと左回りのほうがいい馬。更に今回はいいはず。
ヴィブロスは少し体に余裕があるが、調教の動きは悪くなかった。まだ1週あるから、レースまでにしっかり仕上げていくだろう。2000mまでなら牡馬相手でも通用する。
宝塚記念で初GⅠを制したミッキーロケットは、木曜日に坂路で一番時計を出したように元気いっぱい。左回りのほうがスムーズなので、今回も楽しみだ。ただ2000mは少々短いかも。
キセキも毎日王冠を見ると、ようやく復調してきたみたいだね。調教もしっかり伸びていた。菊花賞後の結果から人気ががた落ちしているので、馬券的には面白いかも。
アルアインはオールカマーを叩いて動きは良くなっている。1週前の坂路では51秒9-11秒9と、これまで以上に時計が出ており調子はいい。あとは適性。ディープインパクト産駒にしては終いのキレがないので、東京コースがどうだろう…」(関西記者)
GⅠ馬5頭について状況を伝えてもらったが、やはりスワーヴリチャードが良さそうな雰囲気だ。
ちなみに関東馬は、「レイデオロ以外に登録は2頭。ともに厳しいでしょう」ということなので、今年の天皇賞・秋の有力馬は、ほとんどが関西馬という状況である。
ファンの気持ちは、武豊騎手を背にしたマカヒキが完全復活のレースを見たいかもしれないが、馬券的中を狙うなら、スワーヴリチャードが堅実なようだ。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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