未だレース名に違和感を感じてしまうが、ダートGⅠの一つであるチャンピオンズC。秋のダート中距離路線の王道は、JBCクラシック→チャンピオンズC→東京大賞典という流れ。本来ならJBCクラシック組が格上のはずだが、今年は違うようだ。
「この秋のダート戦で一番の注目は南部杯でした。というのも、昨年の最優秀ダート馬のゴールドドリーム、ジャパンダートダービーを勝った3歳ナンバー1のルヴァンスレーヴが対戦したからです。
結果はルヴァンスレーヴがゴールドドリームを破って優勝。これでルヴァンスレーヴは7戦6勝。ちなみに2走前のジャパンダートダービーでは、オメガパフューム(JBCクラシック2着)に1馬身半差をつけて勝っています。
敗れたとはいえ、ゴールドドリームも昨年はJRAのGⅠを2勝し、今年はかしわ記念、帝王賞と交流GⅠを2勝。帝王賞では、ケイティブレイブ(JBCクラシック1着)を倒しています。
つまり、この2頭が破った馬がワンツーしたJBCクラシックは、主役抜きで行われた結果とも言えます。その主役が出てくる以上、今年は南部杯組の2頭が上と見ている関係者は多いですね」(競馬専門誌記者)
その2頭だが、状態はどうなのだろうか。
「ルヴァンスレーヴは、1週前まで調教が坂路ばかり(これまではウッド主体)で、土曜日にようやくウッドでやったものの併せ馬で遅れたのは気になりますが、もともと調教は動かないので仕方ないでしょう。直前も坂路だと不安ですが、しっかりウッドでできれば大丈夫だと思います」(専門誌記者)
「ゴールドドリームの1週前はCWで、上り11秒台。余裕をもっての時計だから内容は上々だ。昨年も活躍したが、本当に完成してきたのは5歳の今年になってから。完成前の昨年も勝っているのだから、2連覇の可能性は高い」(関西記者)
ルヴァンスレーヴは調教内容に少々不安はあるものの、元々あまり動かないのなら深く気にすることもなさそう。そうなるとルヴァンスレーヴ、ゴールドドリームで堅いのか。
「ただデータ的には、圧倒的にJBC組です。ジャパンCダート時代から、チャンピオンズCは、JBCかみやこSを使ってきた馬が上位に来るケースが多いんです。今年の場合、京都でJBCが行われたため、みやこSは取りやめ。つまりJBCは、みやこSの役割も果たしたため、例年以上にJBC組が強いはずです。JBCクラシックは、南部杯ワンツーに負けた馬ばかりですが、データからは逆転も望めます」(競馬専門誌記者)
そのJBC組の状態を探ってみたい。
「勝ったケイティブレイブは、2連勝しての秋3戦目だし、前走が勝負だと調子落ちの懸念もあるが、使ってむしろ良くなってきている。昨年は4着だったが、今年はそれ以上の結果を期待していい。
2着のオメガパフュームも、前走の疲れも取れていい状態。今が伸び盛りで、使う毎にレース内容が良くなっている。ジャパンダートダービーでルヴァンスレーヴに敗れたが、差は縮まっているんじゃないか。
3着のサンライズソアも、ここ2戦苦しい展開で3着に入っている。中京のダートは先行馬が有利。飛ばす馬が見当たらないだけに、ここも好勝負を期待できる」(関西記者)
とJBC組にもチャンスはある。
恐らく人気は南部杯の上位2頭になりそうだが、データから狙い目はJBC上位組。有力馬が外国人騎手騎乗馬が多いだけに、福永騎手騎乗のケイティブレイブには特に頑張ってほしいところである。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
WASHIZAKI
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