今年の牡馬クラシック戦線は、ホープフルSを勝った3戦無敗のサートゥルナーリアの評価が断然高いようだが、他にも最優秀2歳馬アドマイヤマーズも4戦4勝、先日の京成杯を勝ったラストドラフトも2戦2勝と、無敗の有力馬が複数存在している。
きさらぎ賞も、デビューから2連勝のエングレーバーが無敗の3連勝を目指し出走予定だが、トレセンで話を聞いていると東京スポーツ杯2歳Sの上位2頭であるアガラスとヴァンドギャルドの評価が高い。
「メンバーレベル、そしてレース内容から、東スポ杯の評価は高いですね。勝ったニシノデイジー、3着のヴァンドギャルドはホープフルSで3、6着。着順だけ見ると平凡ですが、ニシノデイジーは展開に恵まれず、ヴァンドギャルドは直線で何度も前に突っかかり競馬にならず。どちらもスムーズな競馬ができれば2着争いに食い込めていたはずです。また東スポ杯4着のヴェロックスは、若駒Sを好タイムで快勝。東スポ杯7着のクリノガウディーは朝日杯FSで2着。このように東スポ杯組は、次走で好走している馬が多いんです。その東スポ杯2着のアガラスと、3着ヴァンドギャルドが出走するのですから、これは見ものです」(競馬専門誌記者)
では、この2頭の詳細を伺いたい。
「アガラスは、夏の東京の新馬戦を勝ち、札幌のコスモス賞は2着。そして東スポ杯2着が、ここまでのキャリア。フォームが大きく、小回りの札幌(コスモス賞)で負けたことから、陣営は中山をスルーし、東京の共同通信杯を目標にしてきました。しかし2歳チャンピオンのアドマイヤマーズが出走を表明したことで共同通信杯は回避し、きさらぎ賞に前倒ししました。この話だけだと逃げた感じですが、共同通信杯はアドマイヤマーズのほかにも、キャロットFのクラージュゲリエも出るので、ノーザンFによる潰し合いを避けたのかもしれません。きさらぎ賞にも、ノーザンFのダノンチェイサーが出走しますが、メンバーを考えるとコッチに出たほうが、共同通信杯とのバランスが取れますからね。相手もアドマイヤマーズ、クラージュゲリエに比べれば落ちるので、東スポ杯だけ走れば勝ち負けだと思います。仕上がりも、天栄でしっかりやってきており、美浦に戻ってレース1週前のウッド調教も軽快な動き。東スポ杯は3か月ぶりで2着ですから、久々も心配ないです」(専門誌記者)
ただし相手は、東スポ杯で少差のヴァンドギャルドでは油断できない。
「ホープフルSは抜け出そうにもスペースがなく、何度も突っかかって落馬しそうになっていたほど。レース後にCデムーロが怒っていたのも分かるよ。あれがなければ2着もあったからね。その後は、きさらぎ賞へ向けて調整。1週前調教も持ったままで好時計を出し、仕上がりは問題ない。鞍上にMデムーロを確保したのも大きい。格的には500万クラスなので、ここは勝って賞金を一気に積みたいレース。ここ2戦より相手も楽なので大きなチャンスだよ」(関西記者)
アガラス、ヴァンドギャルドともに仕上がりも順調。となると、この2頭で堅いのだろうか。
「2頭で堅いのかもしれないが、そこは3歳馬。突然急成長を見せる馬もいるからな。一応2頭に続くと思われているのがダノンチェイサー。500万でも相手が強かった前走を快勝しており、力はある。ただマイラーっぽいので、時計がかかり気味の今の京都芝1800m戦はどうかな?
2連勝のエングレーバーも無敗なので人気になるだろうが、ともに勝ち方は地味。前走も有力馬の凡走に恵まれた感じもある。
それならメイショウテンゲンのほうが面白い。前走の未勝利戦は直線でソラを使い大外に膨れていったが、そのまま差し切り。粗削りだが、持っている能力は相当高そうだ。母は古馬になって牡馬相手に重賞2勝したメイショウベルーガ。変身を求めるなら、この馬かな。な競馬ぶりで、完成度の高さでヴァンドギャルド、アガラスには見劣るけど、秘めたる資質は負けていない」(関西記者)
もともと波乱の少ない重賞だけに、ハイレベルなレース経験しているアガラス、ヴァンドギャルドの2頭が、やはり優勢のようだ。それでも堅い馬券は嫌だという人は、思い切ってメイショウテンゲンの一発に賭けるのもいいだろう。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
WASHIZAKI
熟練競馬ライター達がとある事情で新聞・テレビなど一般メディアでは取り上げられない業界の「アウトな裏話」を会員様限定でこっそりと公開!