今週で12人の調教師が競馬場を去ることになる。当然のことながら、最後の大勝負を賭けてくるところも多いと思われるので、厩舎欄を見て引退調教師はマークしておいたほうがいいだろう。
小倉大賞典にも、引退調教師の馬が3頭出走。これらの馬も勝負と見ていいのか。3頭の情報を、専門誌記者に集めていただいた。
まずは、引退レースと言えば逃げ馬。引退騎手や調教師の馬が、誰にも競りかけられずに楽々逃げ切りというシーンを過去何度も見てきた。となると、領家厩舎のゼロスが一番有力のような気がするが。
「かつては逃げて3連勝。若駒Sではワールドエースも破っているように、マイペースで行ければしぶとい馬だ。問題は楽に行かせてくれるか。条件戦ならともかく重賞だから、甘くないんじゃないかな。エディンのように行かないと味が無い馬もいるし、ここ5戦連続して逃げているサトノシュレンもいる。ゼロスを楽に行かせてあげるなんて話があったら、このあたりは使ってこないでしょう」
とゼロスの楽逃げは厳しいとの見方。そうなると、他の2頭(シャトーブランシュ、スマートギア)に期待したいのだが。
「シャトーブランシュは、叩いた次が一番いいタイプの馬。今回も乗りこみ量は豊富なんだけど、買いは次ってイメージが強いね。厩舎の感触も次のほうがいいかもって感じで、とても最後の勝負には見えない。ただ小倉は実績があるので、そこに期待したい」
残りの一頭スマートギアはどうか。
「もう9歳馬だから大きな期待は酷だろうけど、ここ2戦は勝ち馬からコンマ5秒以内まで来ているから善戦している。この後は移籍先の厩舎の事情で放牧のようだし、ここは目一杯の勝負ができる。2年前のこのレースは10番人気で2着し、穴を開けている。前が飛ばしてくれれば、チャンスはある」
全体的に「ラストインパクトで堅い」という声が多いのだが、引退調教師の3頭がどこまで健闘するか。中でも、スマートギアの追い込みに賭けてみたい。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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