今年の中山記念は、出走予定メンバー(1週前の情報収集時)の半分がGⅠウイナーという豪華な顔ぶれ。だからこそ目標が先にあるため、出走馬それぞれの仕上げ具合にバラツキもある。そのあたりも含め、東西それぞれ有力馬の近況を教えてもらいたい。
「関西からは、GⅠ馬が4頭出走予定。ハイレベルの4歳世代からは、皐月賞馬エポカドーロが出てくる。昨春は皐月賞を勝ち、ダービー2着。それに比べ、昨秋は神戸新聞杯4着、菊花賞8着と期待を裏切ったが、神戸新聞杯は出遅れ、菊花賞は距離が長かった。中山は皐月賞1着、スプリングS2着と相性がいいので、昨秋のようなことはないだろう。仕上がりのほうは、1週前にCWで上り11秒5の好時計を出しているように順調に進んでいる。いきなりでも走れると思うよ。
ラッキーライラックは、秋華賞9着以来。この頃は一頓挫あってブッツケになったので、惨敗も仕方なかった。今回は中山記念を目標にじっくり作ってきたので、秋華賞前とはデキが違う。不安は相手関係。牡馬の一流馬が出てきたので、どこまで力が足りるか。
この後ドバイ遠征を控えているのはスワーヴリチャード。この馬もジャパンCの時はハッキリしない部分があったので、その時よりはいい感じに見える。調教はいつも動くんだけど、今度もいい動き。これなら久々でも馬券になりそうだが、目標はドバイなので、勝負度合そのものは高くないような気がするな。
ディアドラもドバイで勝負だと思うが、1週前のCWで6F76秒台という凄い時計を出した。それだけ具合がいい証拠で、これだけ出せる状態にあるのでは、前哨戦のここも走ってしまうんじゃないか。クイーンS、府中牝馬Sの勝ち方は桁外れに強かったし、ここもアッサリ勝ってしまうかも。
いい馬ばかりで難しいけど、エポカドーロ、ディアドラが推しかな」(関西記者)
関東馬は、GⅠ馬ステルヴィオが大将格だ。
「ステルヴィオは、早くから中山記念を復帰目標にしてきたので、順調に仕上がっています。1週前も美浦のウッドで軽く6F81秒台をマーク。内目を通ったとはいえ、これは速いです。中山芝1800mはスプリングSで勝っており、この時はエポカドーロを破っています。1800mは全体でも3戦2勝2着1回。負けた一戦も毎日王冠2着で、キセキに先着していますから、この距離は強いですね。
GⅠ馬ばかり話題になっていますが、ウインブライトも忘れてはいけません。GⅠこそ勝っていませんが、重賞は4勝。特に中山の中距離はスプリングS、中山金杯、そして昨年の中山記念と重賞を3勝しています。前走の中山金杯も、58キロのハンデを背負いながら、ステイフーリッシュ、タニノフランケルら4歳勢を捻じ伏せています。この春はオーストラリア遠征も噂されていますが、まだはっきりしていないので、まずは中山記念に全力投球でしょう」(競馬専門誌記者)
GⅠ馬5頭に、中山スペシャリストのウインブライトも加わり、早くもGⅠ並みの激戦が予想される中山記念。ただ目標を先に置いている馬が多く、ここでの勝負度合の差が結果に繋がる可能性はある。
そして、もう一つのヒントが位置取り。過去の勝ち馬を見ると、4コーナーで3番手以内につけていた馬が目立っている。となると、好位で競馬を進めることが多いエポカドーロ、ウインブライト、スワーヴリチャードの中に勝ち馬が潜んでいるかもしれない。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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