先の中山記念も豪華メンバーだったが、同じ古馬中距離GⅡの金鯱賞も負けていない。GⅠ馬5頭に、4連勝と売り出し中のエアウィンザーも出走を予定し、こちらも楽しみなメンバーになってきた。
中でも注目を集めているのがダノンプレミアムである。
新馬から弥生賞まで、GⅠ朝日杯FSを含む4連勝。全てのレースが余裕たっぷりの楽勝で時計も速く、当時は「クラシックは決まり」という評価も多かった。
しかし挫石のため皐月賞を回避。何とか間に合ったダービーは1番人気も6着と残念な結果。だがレース前に不安説があったうえ、距離も長いと思われたダービーの6着は、単純に能力で負けたとは言い切れず、まだまだ4連勝の印象は強い。
昨年の春には、アーモンドアイ以上の評価もあった馬。「もしかしたら、この馬こそが現役最強かもしれない?」。そんな期待感も残るだけに、復帰戦が待ち遠しかった。果たして、4連勝時の強さを見せることはできるのか。
「秋に復帰する予定が、爪の不安でノビノビになってしまった。その後放牧に出され、回復を待って再入厩。慎重に事を運んできたはずだから、爪の不安はそれほど気にしなくてもいだろう。
問題は仕上がり。1週前調教では速い時計は出たけど、3歳1勝馬のダノンジャスティス(3月2日の500万平場で5着)に遅れ。もともと調教で凄い動きをしていた馬なので、物足りなかったのは事実だね。少しかかり気味のところがあるので、これくらいのほうが逆にいいという見方もあるけど。こんな状況だから、1週前段階では強く推せない。残り1週あるので、レースまでに変わるかもしれないが…」(関西記者)
前走のダービーに比べると、距離短縮させるのはいいし、気性面から久々も走りそうなタイプ。ただ話を聞く限りは、完全に不安解消とまでは行かないようだ。しかも金鯱賞は、これまでとは相手が全く違う。その怖いライバルたちの近況も聞いてみたい。
「ペルシアンナイト、アルアインとGⅠ馬を2頭送り込む池江厩舎。この同僚2頭は昨年も2回戦っているが、どちらもペルシアンナイトが先着。3歳時はアルアインが優勢だったが、今は逆転しているね。ただ2頭ともに大阪杯を目指していると思われるので、ここは叩き台。能力から上位には来るかもしれないが、頭はどうかな?
エリザベス女王杯で念願のGⅠを勝ったリスグラシューは香港帰り。海外直後の一戦はあまり買いたくないけど、調教を見る限り不安は無さそうだね。GⅠの前哨戦は有力馬が消極的になるので、終い勝負になることが多い。そうなると、近走上り32秒台を2度マークしているので、この馬には有利かもしれないね。
モズカッチャンは有馬記念で8着。鞍上のデムーロが『距離が長い』と敗因を挙げていたので、2000mへの距離短縮はいいはず。ただ、あまり速い上りが無いので、瞬発力勝負になると厳しい。
4連勝中のエアウィンザーは、久々に手綱を取る武豊騎手が『馬が変わった』と話しているように、以前とは別馬。決め手不足に泣いた頃とは違うね。デビュー前は、兄のエアスピネル以上と言われた逸材。それが長らく条件クラスで燻り、期待外れの評価もあったが、時間をかけて評判通りの馬になってきた。今なら『兄以上』と言ってもいいんじゃないか」(関西記者)
GⅠ馬の名前を聞くと惹かれてしまうが、情報からは、実績では負けていてもエアウィンザーの勢いに乗りたくなってくる。
そのエアウィンザーに乗るかどうかも、まずはダノンプレミアムの取捨が第一。大器と信じて買うか、ただの早熟馬として評価を落とすか。非常に難しいところだが、最後の決断はやっぱりオッズ次第。あまり人気になるようなら、抑え程度の扱いが妥当かもしれない。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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