今年の中山記念は、あちらこちらでGⅠ級のメンバーと騒がれていた。確かにハズレの無いメンバー構成で、この時期にこれだけのメンバーが一堂に会すのは珍しい。
レースのほうも、天皇賞馬ジャスタウェイがGⅠ馬の貫録を見せて快勝。2着には今年大躍進が期待されるアルキメデス、3着には皐月賞馬ロゴタイプと、力のある馬が上位に入り、出遅れて厳しいレースになったトウケイヘイローもギリギリまで粘り、最後は6着も大崩れはしなかった。
3月頭からこんなレースを見せられたのだから、春のGⅠは更に面白い。と言いたいのだが、ここで勝ったジャスタウェイ、巻き返し期待のトウケイヘイローはドバイへ。ロゴタイプも、もしかしたらドバイ遠征となるかもしれない。つまりドバイへの臨戦過程で、中山記念はちょうどいい時期にレースがあり、それが好メンバーに繋がったとも言える。
「日本の馬が強くなって外国馬に力負けしなくなったのは頼もしいが、そのぶん海外遠征が増え、日本で強い馬を見る機会が少なくなったのは少々残念だね。秋も天皇賞とジャパンC、菊花賞のメンバーが寂しかったが、オルフェーヴル、キズナが凱旋門賞に遠征したからというのもある。今年の春もドバイや香港に行く馬がいるから、本当に好メンバーが揃うのは、夏の宝塚記念まで待たないといけないのかな」(栗東記者)
もちろん海外のGⅠもテレビで中継されるので楽しみはあるのだが、やはり日本のレースで馬券も買って応援したいというのがファンの本音かもしれない。
中山記念はドバイへ続く道の意味も濃かったが、阪急杯は高松宮記念、安田記念を目指す道。
昨年全てのレースで馬券圏内にあったダノンシャークが人気だったが、久々の大敗となった。
「これは危ないでしょう。だって最近はマイルばかり使っていたし、1400mなんて1年半ぶりで、そのときも5着に負けていた。本当はマイルの東京新聞杯を目指していたが、雪の順延で再度の輸送を嫌って回避。それで1400mの阪急杯に使ってきたのだから、最初から狙っていたレースじゃない。1400mと1600mって200mしか違わないけど、レースの性格は全然違うからね」(関西TM)
逆に、いかにも1400m向きの色が濃いコパノリチャードは、好枠もあって楽々逃げ切りを果たした。
「開幕週の内回り1400m、これに1番枠の有力逃げ馬なら、買いは絶対コッチだよ。次は高松宮記念かな。そこはハクサンムーンなど強力な逃げ・先行馬も多く、楽な競馬はできないと思うけど」
今回はコパノリチャードが勝ったが、次回狙いたいのは、やはりマイルに戻った時のダノンシャークのようだ。
GⅠNHKマイルへの道であるアーリントンCは、断然人気のミッキーアイルが圧倒的なスピードで押し切った。
「前走もそうだったが、レースが近づくにつれテンションがアップし、早く走りたい素振りを見せる。でも、それがスタートダッシュに繋がっているのかな。ラチを頼る癖があるので、外回りから内回りの合流地点のラチの無いところで減速したのは気になったが、それでも最後は流す余裕。この相手では力が違った。
NHKマイルC最有力は変わらない」(専門誌記者)
2着以下の馬をどう見るか。
「2着のタガノグランパは、シンザン記念のときもミッキーアイルに離されたように、ちょっと力の差がある。距離も、現状は1400mのほうが良さそうで、ファルコンSなら勝てるかも。
3着フェルメッツァは、武豊騎手が最初からミッキーアイルに勝とうという気を持たず、2、3着狙いに徹した感じ。まだ500万の身だが、条件戦で自分から勝ちに行くと脆いかも。どうせ次走は人気だから、重賞3着だからと、あまり買い被らないほうがいい。
2番人気で大敗のエイシンブルズアイは、行くのか抑えるのか中途半端で、力を出し切れなかった。主戦の福永騎手はきれいに乗りこなしていたので、彼が騎乗停止で乗れなかったのが痛かった。今回は度外視していいでしょう」
3歳マイル路線はミッキーアイル断然で、これを追うのは力を出せなかったエイシンブルズアイ。あとは他から来る組(ウインフルブルーム、サトノルパンなど)となるだろう。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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