JRAで唯一の1000m重賞であるアイビスサマーダッシュ。直線コースで行われることもあり、特殊性は非常に強い。そのため波乱も多いイメージだが、意外なことに過去8年、3連単で10万を超えたことは一度もない。実際1番人気は6年連続連対中だ。果たして今年も1番人気馬は絡むのか。
「1番人気はライオンボスでしょうか。アイビスサマーダッシュと同じ千直コースで現在2連勝中。2走前は単勝万馬券に近い存在(98.1倍)でしたが、54.1秒の好タイムで5馬身差の楽勝。1600万の身で挑戦したオープンの韋駄天Sも53.9秒の時計で逃げ切りました。千直コースでは底を見せていませんし、開幕週の馬場ならスピードで圧倒する可能性はあります。
韋駄天S組は上位の多くが出走予定ですが、2着だったカッパツハッチもいいですね。前走はライオンボスがつくったハイペースを追いかけても止まらず2着確保。この馬も開幕週の馬場は有利です。
休養明けで3着だったミキノドラマーも千直は強いのでマークは必要です。初の千直で4着だったアルマエルナトを含め、韋駄天Sの上位馬は全てチャンスがあります」(競馬専門誌記者)
ただ韋駄天Sはオープン特別。メンバーを考えると、重賞で好勝負した実績のある馬のほうが怖いと思うのだが。そんな実績上位馬が多いのは関西勢だ。
「昨年のアイビスサマーダッシュで1~3着だったダイメイプリンセス、ラブカンプー、ナインテイルズが揃って出てくる。ただ近走が良くないんだよね。
ダイメイプリンセスは終い伸びないレースばかり。前走は珍しく先行策をとったが、終いは止まってしまった。それでも変わってきたという話もあるし、デムーロ騎手への乗り替わりで変身があればいいのだが。
ラブカンプーはGⅠのスプリンターズSで2着に入った馬だが、その後は二桁着順を連発。能力は足りるのだが、なにせ調子が……。立て直して近走よりは良くなっているようだけど。
ナインテイルズも近走不振だが、こちらはもともと安定感の無い馬だから、突然激走もあるから注意は必要。ただ、ここで激走するポイントは見つからない」(関西記者)
どうも昨年のアイビスサマーダッシュ上位馬は買える材料を見つけるのが難しい。
「関西で推せるのは、むしろ千直の実績がない馬。ビップライブリーは、2走前にオープン特別を勝ち、CBC賞も5着と崩れていない。前走に比べると相手は落ちるし、1200mで先行できる脚があるから、1000mも置いていかれるということは無いと思うよ。
それから穴で推したいのはオールポッシブル。近走は不振だが、テンに行く脚があるので1000mで変わる可能性はある。大敗のバーデンバーデンCは叩き台で、もとより今回が勝負。デキは上向いている」(関西記者)
配当を考えるとオールポッシブルに興味は行くが、展開が厳しいかもしれない。
調子ならば、前走で函館スプリントSを制したカイザーメランジェが一番だと思うのだが。
「前走は、例の薬物混入の件でメンバーが大幅に弱化。しかも人気のタワーオブロンドンが控えたため、前がかなり有利になっての逃げ切りです。千直は韋駄天Sで6着に敗れていますし、展開も厳しいと思います」(専門誌記者)
と評価は低いようだ。
現在の勢い、そして1番人気が強いレース傾向からライオンボスが優勢。ただテンに速い馬が多く展開は楽では無さそうだ。傾向に逆らい、今年は中位人気の好位差し組から探すのも一興だ。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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