豪華メンバーで盛り上がった中山記念。スタートでトウケイヘイローが出遅れたときは大波乱の雰囲気もあったが、終わってみれば天皇賞馬ジャスタウェイが快勝し、2着に4連勝中のアルキメデス、3着に皐月賞馬ロゴタイプと、アクシデントのトウケイヘイローを除けば人気馬が順当に上位を占めた。
中でもジャスタウェイは、天皇賞・秋の圧勝がフロックでないことを証明するように、ここでも後続をちぎっての快勝。ドバイでも活躍が期待できるだろう。
馬の強さもあったが、鞍上の横山典騎手の腕もいろいろな意味で光る一戦だった。テン乗りだったが、難なく手の内に入れ好位4番手あたりを追走。これまでは追い込み馬というイメージが強かった馬を好位で進められるあたりが、彼の腕なのか。そして直線は最内に忍び込み、窮屈なところをあっという間に抜け出した。
これにはテレビなどでも、「神騎乗」と讃える評論家もいたほど。ただ、そもそも内を開けていたこと(トウケイヘイローの武豊騎手)や、無理に内を衝いたことへの批判もあったようだが。
横山典騎手は、京都記念のデスペラードでも、まさかの逃げ切り勝ち。この馬も追い込み馬のイメージが強かったが、行く馬がいないと見て積極策に出ただけでなく、4コーナーでは一気に先頭に立ったトゥザグローリーに焦ることなく脚を溜め、並びかけてきたトーセンラーも封じ込めた。
このときも「神騎乗」の声があがっていた。
「昨年は大きな期待をかけて育ててきたコディーノを、大一番のダービー前に降ろされてしまった。それ以来、緊張の糸が切れたのか、乗り気じゃない騎乗も見えたね。息子(横山和)も乗れるようになってきたので、親父のほうは安心してしまったのかと思っていたよ。
でも、まだまだノリは死んでいなかった。彼がやる気を出したら、右に出るヤツはいないよ」
と某専門紙記者もべた褒め。
今週の弥生賞ではワンアンドオンリーに騎乗するが、十分勝機のある馬なので、横山典騎手のモチベーションも高いはず。いや彼のことだから、ここは目立たないようにして、本番で奇策に出る可能性もある。いずれにしても、復活気配の横山典騎手から目が離せない。
(美浦ライター:高木)
栗東在住ライター:鷲崎
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