昨年は1番人気のトリオンフが快勝したが、それ以前は1番人気が長らく連敗していた波乱の小倉記念。今年もハンデ戦らしく一波乱あるのか。まずは有力馬の情報を栗東の記者にいただくが、気になるのは重賞連勝中のメールドグラースだ。
「新潟大賞典はハンデ差を生かして勝った感もあったが、鳴尾記念は別定戦での勝利だから完全な実力勝ち。状態は良好だし、小倉は2戦2勝と適性も文句なし。問題はハンデということになるだろうね。少々重くても、今の勢いなら好勝負だと思うけど」
小倉の適性を考えても、ここは狙い撃った一戦。仕上げ自体は心配なさそうなので、問題ハンデだけか。
ただ相手も池江勢を中心に多彩だ。
「実績ではストロングタイタン。昨年の鳴尾記念勝ち馬で、今年も中日新聞杯3着の結果もある。ただ、この2戦以外は全て二桁着順と安定感がなく、軸にはしにくい。調子のほうは、夏になるとよくなる馬なので、前走以上にはある。
同厩のアイスバブルは2連勝して、初重賞挑戦の目黒記念もレコード決着の2着と本当に充実している。勢いから、池江勢はアイスバブルのほうがお奨めかな。
他厩舎では、アイスストーム。現在2連勝中で、とにかく末脚が切れる。でも前走は超ハイペースの恩恵もあったけどね。小倉の短い直線だと、もしかしたら届かないということもあるかも。
クリノヤマトノオーは乗り難しいタイプで、早めに進出すると脚を無くすタイプ。とはいえ脚を溜めすぎると届かないから、展開の助けが必要だろう。
カデナは、弥生賞など重賞2勝している馬だが、この成績も忘れられているかも。2戦連続3着とようやく復調してきた。ただ極端に速い時計だと厳しいので、開幕2週目の馬場がどうかな」(関西記者)
力はあるものの、走れる条件が整わないと脚を余しそうな差し馬が多く、ちょっと不安な面々だ。これなら先行馬のほうに妙味を感じるのだが。
「先行馬なら、2月の小倉大賞典で3着だったタニノフランケルは面白いかも。小倉2戦2連対とコース適性はあるし、近走の着順からそろそろ人気が落ちそうで、ならばマークも軽くなる。逃げてこその馬なので、単騎で行ければ中山金杯3着の実績もある。今回はそれほど飛ばす馬がいないようなので、ようやく出番がまわったきたかな」
1週前の出走予定馬を見てみると、1番人気候補のメールドグラースを含め全体的に差し馬ばかり。ここは一発タニノフランケルの逃げ粘りに期待し、今春天へ召された名牝ウオッカ(タニノフランケルの母)に、初めての重賞勝ちを届けたい。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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