一部ではGⅠ昇格の噂もある札幌記念。そんな雰囲気を感じさせる豪華なメンバーが集まった。
昨年のダービー馬ワグネリアン、菊花賞馬フィエールマン、同期で年末の有馬記念を勝ったブラストワンピース。他にも、マイルCS勝ち馬ペルシアンナイト、昨年の札幌記念の覇者サングレーザー、一昨年の覇者サクラアンプルール。更にクルーガー、クロコスミア、ゴーフォザサミット、ステイフーリッシュと1週前の出走予定馬には、GⅠ馬4頭を含め重賞ウイナーが10頭と、夏の重賞としてはこれ以上ないほどの顔ぶれだ。
注目は、4歳勢の3頭ワグネリアン、フィエールマン、ブラストワンピースか。
「ワグネリアンは、7月25日の栗東CWで7Fから時計を出し、6Fは77秒台、5F62秒台の猛時計。栗東で仕上げてから北海道に持ってくる形だ。札幌や函館だと調教も制限をしないといけない部分があるから、栗東で仕上げてくるのは正解じゃないかな。大阪杯3着後は、早くに宝塚記念回避を決め、ここを使うことを明言していた。だから仕上がりはいいと思う。
フィエールマンは、7月末に函館ウッドで5F66秒台の速い時計を出し、こちらも仕上がりは悪くはなさそうだ。
ブラストワンピースは、芝で一杯に65秒台。この馬は美浦ウッドでも速い時計を出すので、それほど目立ったものではない。ノーザンFでやってきているのだろうが、まだ万全とは言えないかな。
あくまで1週前段階だけど、3頭ではワグネリアンの仕上がりが一番だと思う」(北海道担当記者、以降同)
この3頭以外で気になるのは、どの馬になるのか。
「サングレーザーが、札幌の本馬場(芝)で5F58秒台と実戦並みの時計を出してきた。ただ、そのぶん上がりはかかったね。熱の入った調教を施し、どこまで仕上がってくるか。
クルーガーも速めの時計を出して仕上がってきたが、ちょっと本数は少ないかな。ノーザンFでやってきているのだろうが、海外遠征の後なので仕上げは難しいところ。
ペルシアンナイトは札幌のダートコースで好時計を出したが、この馬の力なら出せる時計。仕上がりは悪くないけどね。
ステイフーリッシュは函館ウッドで軽快な動き。使っている(函館記念3着)から、仕上げは難しくない」
時計だけ見ると仕上げはどの馬も悪くないように見えるが、現地の関係者の見立てはどうなのか。
「ブラストワンピース、フィエールマンは、あくまで凱旋門賞が目標。ここを100%仕上げで来るとは思えない。それは国内のGⅠを目指す馬も同じだからね。その中ではワグネリアンが一番良さそうだが、本当に狙いたいのは秋のGⅠよりも、ここを目標にしてきた馬。
となると、お薦めはステイフーリッシュ。函館記念は57.5キロで、自分より軽いハンデの馬に先着された。今回は斤量の不利はない。代わりに相手は強くなるが、仕上げに差があるからね。
サクラアンプルールも一昨年勝っているので勝負度合は強いけど、その頃とはメンバーが違うから厳しいかな。
昨年の勝ち馬サングレーザーも調教内容から意欲は高いが、そろそろGⅠを狙いたい立場なので、この馬も100%仕上げとは思えない」
能力と仕上げのバランスを考えると、ワグネリアンが一番のような気がするが、やる気を第一に考え、ステイフーリッシュで一発穴馬券を狙うのも面白そうだ。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
WASHIZAKI
熟練競馬ライター達がとある事情で新聞・テレビなど一般メディアでは取り上げられない業界の「アウトな裏話」を会員様限定でこっそりと公開!