レース史上初めて、外国馬がゼロとなった今年のジャパンC。また登録16頭を見ると、ウインテンダネスを除いて15頭は社台系。更にうち12頭はノーザンF生産と、もはやジャパンCではなく、ノーザンCである。
偏りは牧場だけではない。厩舎を見ると、5頭が友道厩舎。馬主では4頭が金子真人HDと、こちらでも偏りが見られる。
「友道厩舎がJCで5頭出しっては分かる気がするね。この5頭のうちマカヒキ、ワグネリアンはダービー馬、シュヴァルグランはジャパンC勝ち馬。つまり現役に芝2400mのGⅠ勝ち馬が3頭もいるんだから凄いよ。友道厩舎は、全体的に短距離馬やダート馬の比率が少なく、芝の中長距離タイプが多い。それは友道厩舎に入る馬の傾向、そして厩舎の調教・育成も、芝中長距離に向くんだろうな。その結果、東京芝2400mのGⅠウイナーを3頭育て、JCの5頭出しにもつながった。ただでさえ能力の高い馬が多いうえに、東京芝2400mのGⅠを複数勝てるだけの育成、仕上げをしているのだから、このコースでは友道厩舎の馬を中心に考えるのは当然だ」(関西記者)
だが5頭もいるとなると、どの馬を狙えばいいのか迷うところだ。
「やはり、このコースで実績を出している3頭だろう。特にワグネリアンは、まだ4歳でマカヒキのようにピークも過ぎていない。前走の天皇賞・秋は不利な14番枠で苦労したが、それでも5着に入線。この時の上位3頭が不在なんだから、チャンスは大きい。
シュヴァルグランは一昨年のジャパンC勝ち馬だが、昨年末の有馬記念3着、今年のドバイシーマクラシックで2着に入ったように衰えは感じられない。ここ2戦はコースや距離に泣かされたが、今回はベストの東京芝2400m。ここ2走を度外視して考えたい」(関西記者)
友道厩舎の5頭出しは、ワグネリアン、シュヴァルグランが推しのようだ。
これに対し、数で劣る他陣営の顔ぶれはどうなのか。
「スワーヴリチャードを忘れてはいけないな。この馬はなぜか天皇賞・秋は走らないが、他の東京戦は6戦2勝2着2回3着2回と全て馬券圏内。共同通信杯、アルゼンチン共和国杯は楽勝し、ダービー2着、JCと安田記念3着がある。スピードタイプじゃないから、距離が2F伸びる今回は前走以上に走れるだろう。それに相手も落ちたしね」(関西記者)
友道厩舎勢が目立つ関西だが、他ではスワーヴリチャードお薦めのようだ。
美浦では、どの馬が挙がっているのか。
「同コースのダービーを勝ったレイデオロを推したいのですが、どうもピークが過ぎたような気がしますね。他は実績からGⅠでは厳しそうな馬ばかり。今年はメンバーが例年より落ちるので、それなら3歳牝馬のカレンブーケドールでも足りる気がします。オークスは勝ちに行っての内容でラヴズオンリーユーのクビ差2着。交わされた後、差し返そうとしていたようにスタミナも勝負根性もあります。そのオークスは、ダービーと比べても勝ち時計、上り時計はそれほど変わりませんから、高く評価していいと思います。この秋は紫苑S3着、秋華賞2着と好勝負していますが、陣営は適性から勝負だったイメージが無く、このジャパンCこそ勝負だと思います。53キロを生かして上位も狙えます」(競馬雑誌記者)
カレンブーケドール推しも、全体的に関東勢は手薄。そうなると、今年のジャパンCは、やはり友道祭りが濃厚。特に東京芝2400mのGⅠウイナーの3頭から更に絞り、ワグネリアン、シュヴァルグランの2頭を中心に考えたい。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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