1週前段階の出走予定馬を見ると、4歳牝馬のクロノジェネシス、カレンブーケドールの2頭が人気を集めそうである。
クロノジェネシスは秋華賞優勝、カレンブーケドールはジャパンC2着と、ともに昨秋はGⅠで活躍。今年は京都記念からの始動となったが、仕上がり具合はどうなのだろうか。
「クロノジェネシスの1週前の追い切りは、CWで5F64秒台、1F12秒を切る好時計を軽くマーク。デキは、前走のエリザベス女王杯よりいい感じだね。この後はドバイに行くのか、それとも国内のレースを目標するのかはっきり決まってないようだから、とりあえず京都記念は勝ちに来るんじゃないかな。これといった相手もいないし、GⅡのここは勝ちに行ったほうが得だよ。昨年の牝馬三冠は3,3,1着。初めて馬券圏内を外したエリザベス女王杯も、2着とは0.1秒差だから差は僅か。相手を考えると、今回は馬券圏内に入る可能性は高い」(関西記者)
対するカレンブーケドールは、ジャパンC2着以来のレースとなる。
「1週前は、美浦ウッドで5F64秒台の好時計。これはジャパンC前よりも時計が速く、仕上がりは悪くないと思います。ただ目標はドバイのようなので、絶対勝負という雰囲気は、私は感じません」(競馬専門誌記者)
クロノジェネシス対カレンブーケドールは、クイーンCはクロノジェネシス1着、カレンブーケドール4着と差があったが、当時はカレンブーケドールが本格化前。GⅠの舞台では、オークスはカレンブーケドール2着、クロノジェネシス3着、秋華賞はクロノジェネシス1着、カレンブーケドール2着と少差の戦いになっている。京都記念でも僅差の勝負となりそうだが、勝負気配からは僅かにクロノジェネシス優勢の雰囲気だ。
牝馬2頭の戦いを、牡馬はただ見ているだけなのか。
「昨春の天皇賞・春3着パフォーマプロミスが直前で回避になったので、劣勢は否めないかな。でも京都巧者も多く、勝負度合という点では牝馬の2頭より上かも。
特に勝負と思えるのがドレッドノータス。全6勝中、4勝が京都。勝った2つの重賞も京都だからね。その京都は8戦4勝、2着1回、3着1回の好成績。京都だけに絞れば、アンドロメダS、京都大賞典と連勝している。ハンデが重くなりそうな日経新春杯は使わず、別定戦の京都記念を狙っての出走。この後は阪神開催が続くから、ここは結果を残したい一戦だ。
ステイフーリッシュは、昨年の京都記念2着。GⅠ級のレースは苦戦ばかりだが、GⅡ以下では安定している。チャレンジCこそ不利があって10着も、スムーズな競馬ができたアメリカJCCは2着だから、やはりGⅡなら外せない。京都は、関西馬にしては珍しく3戦しかしておらず、GⅠの菊花賞は大敗も、GⅡの京都新聞杯は勝ち、京都記念は2着だから、このコースは走るよ」(関西記者)
ドレッドノータス、ステイフーリッシュの2頭も勝負圏内だが、この京都記念は過去8年で6番人気が4勝しているレース。もう少し下位人気になりそうなところで、面白い馬はいないのだろうか。
「難しい質問だなあ。クラージュゲリエはダービー以来の久々だから上位人気にはならないだろう。ただ追い切りを見ると、時計は出ているが、2週連続で川田騎手を乗せて並走遅れ。いくら追走といっても、併せた相手は条件クラスだから併入はしてほしかった。あと1週で、どこまで仕上がるか。
こうなるとノーブルマーズかな。時計のかかる馬場になれば、宝塚記念3着の実績もあるので好勝負できる。週末は雨予報もあるので、そこに期待だな。でも頭を獲るタイプじゃないけど」
どうも今年の京都記念は、大波乱は無さそうな雰囲気である。
実績のある牝馬2頭、特にクロノジェネシス優勢に見える今年の京都記念。牝馬の優勝は10年前のブエナビスタ以来皆無だが、今年は久々に牝馬がチャンスである。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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