ロードカナロアがズバ抜けていたスプリント路線。そのロードカナロアが引退し、スプリント路線は群雄割拠……というよりドングリの背比べのような手薄なメンバーになってしまった。
「気が付いたら、逸材がいないなあ。マジンプロスパーやサンカルロが未だ有力の一頭に加えられるほどからな」(専門紙記者)
短距離で新戦力と言えば、シルクロードSでワンツーしたストレイトガールとレディオブオペラくらいか。ただ、その2頭がなかなかの素質馬。ここも高く評価されている。
「特にストレイトガールがいい。夏は厳しいローテーションでも活躍したが、そこは藤原英厩舎。焦ってスプリンターズSを使わず休養に入れたのが大きかった。
前走のシルクロードSは、人気こそレディオブオペラに譲ったもの、レース内容は段違い。2着を何とか死守したライバルに対し、こちらは余裕をもっての勝利だからね。前走後も順調で、1週前の追い切りも文句ない動き。ロードカナロアの跡継ぎは、間違いなくこの馬だよ」
ロードカナロアの後継者といえば、昨年の高松宮記念3着、スプリンターズS2着のハクサンムーンと言われていたものが、前哨戦のオーシャンSで1番人気ながら惨敗。巻き返しあるのか。
「もともと寒い時期も休養明けも良くない。前走もレース前から西園調教師が珍しく弱気だったように、デキはイマイチだったと思う。昨年も休養明けのオーシャンSを3番人気で9着に惨敗し、高松宮記念は10番人気まで落ちたが3着と巻き返している。
だから今年も。と言いたいのだが、どうも負け方が気に入らないんだよ。昨年も同じと言っても、馬は昨年よりも成長しており、今年は負けるにしても恰好はつけてくれると思っていただけに、負け過ぎの印象が強い。
それに昨年の高松宮記念は、1200mのGⅠとは思えないほどスローペースで、展開に恵まれた面があった。今年は阪急杯を逃げ切ったコパノリチャードに、レディオブオペラと有力どころに先行馬が多く、出走馬は前を見ながらの競馬になる。当然、昨年のような展開は望めない。中京コースの性格を考えると、逃げ切りは難しいのでは」
この声に代表されるように、トレセン内の意見を聞いていると、ロードカナロアの後継者は、勢いからストレイトガール優勢のようだ。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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