先週末は、皆さんも興奮の連続だったであろう。GⅠ高松宮記念を中心に重賞が4つ行われ、ドバイではジャスタウェイ、ジェンティルドンナが快勝。日本馬の力を世界にアピールした。
ドバイの快挙は嬉しいのだが、その裏で日本のレースが物足りなくなるのも事実。実際最近は、ドバイや香港遠征のせいで、天皇賞・春は手薄なメンバーになることが多い。
ただ今年は雰囲気が違うようだ。阪神大賞典をゴールドシップが圧勝したのに続き、ウインバリアシオンが日経賞を快勝した。
「少しかかり気味で終いに脚が使えるが心配だったが、それも杞憂。3コーナーからまくって行く脚は、有馬記念のオルフェーヴルを彷彿させた。最後の爆発力は、同じハーツクライ産駒のジャスタウェイと同じように迫力十分。岩田騎手が天皇賞まで騎乗するのを決めていたというのが分かるな。ゴールドシップとの対戦が楽しみ」(専門紙記者)
天皇賞・春には、このウインバリアシオン、ゴールドシップに加え、大阪杯から復帰するキズナ、メイショウマンボ、そして昨春の天皇賞勝ち馬フェノーメノも出走予定。ドバイ、香港遠征組を欠いても十分の顔ぶれで、久々に春の天皇賞が豪華なメンバーとなりそうだ。
順番が後になってしまったが、今年2つめのGⅠ高松宮記念は、スピード王を決めるには残念な不良馬場。見た目にも水がたまっているのが分かるほど厳しい馬場で、パワーの無い馬には厳しかっただろう。そんな馬場にめげず勝利を掴んだのがコパノリチャード。
「今年の高松宮記念は馬場のせいもあって、スプリンターよりは寧ろマイラーくらいの馬のほうが良かったもしれない。1200mは微妙と言われたコパノリチャードにとって、この馬場はプラスだった。抑える競馬で勝てたのも好材料で、これなら安田記念も面白いのでは」(関西記者)
可哀想だったのは人気のストレイトガールだ。
「函館で重い馬場もこなしているが、さすがにここまで悪くなると厳しかった。1200mは夏のサマースプリントシリーズまでコレといったレースが無いから、今回結果を出せなかったのは厳しい。夏の函館で鬱憤を晴らすことだろう」
遠い話だが、秋のスプリンターズSこそはスピードを生かせる馬場になってほしいものだ。
3歳戦では、ダービー、NHKマイルCに直結することが多い毎日杯が注目のレース。内からマイネルフロストが強襲し、ハナ差勝利を収めた。
「うまく1番枠を生かしたのは、柴田大騎手らしい。良馬場で広いコースなら能力を発揮できるので、東京コースでも好勝負が見込める。ただダービーというタイプではないので、NHKマイルCなら好勝負できるかも。でもダービーに行くのだろうが。
それに比べ2着のエイシンブルズアイはNHKマイル狙いと決まっているので、こちらは買える。前走はC・デムーロの乗り方が中途半端で大敗したが、スムーズならこれくらい走れる。NHKマイルでも、ミッキーアイルに勝てるかとなると難しいが、2、3着なら狙える。
惜しかったのは3着ステファノス。終始外をまわらされ、一時は先頭に。最後は内から2頭に差されたが、内容は1、2着馬以上。あとは母系から距離延びてどうか。
逆に4着ラングレーは距離が短かった。次は青葉賞だから巻き返しは十分期待できる。こちらはダービー向きだからね」(雑誌記者)
ダービーといえば、また一頭楽しみな馬が出てきた。
「大寒桜賞を勝ったワールドインパクトは覚えておきたい馬だな。あまりに後方にいて心配させたが、直線に向いて手前を替えてからの伸びは豪快。大トビで、直線の長いコースの長距離戦が合う。次は青葉賞だが、このレースの内容如何ではダービーも狙えるのでは」
この馬もまたディープインパクト産駒。暖かくなってくると、ディープ産駒の3歳馬が一気に成長してくるので、ラングレー、ステファノス、ワールドインパクトの次走も大きな期待を賭けたい。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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