チューリップ賞のハープスターを見て、桜花賞は決まったと見ている人は多いだろう。実際、トレセン関係者の考えも全体的に同じようなものだ。
「チューリップ賞は2週前に併せ馬で大きく遅れ、本追い切りは終い重点で、全体時計が遅かった。完全なトライアル仕様だったが、結果は段違いの強さで楽勝。もう欠点を探すのがバカバカしくなってきた。もちろん叩いた効果はあるし、調教の動きも前走とは一変。相手強化と言っても、阪神JFのときとほぼ同じ。今年の3歳牝馬は言われているほど強くないから、ハープスターの独り舞台だ」
このような意見が圧倒的な桜花賞。しかし2着争いとなると意見が活発になってくる。
「3戦3勝のレッドリヴェールが2番手評価になるんだけど、この馬は危ない面がある。前走の阪神JFも勝つには勝ったが、カイバを食べないとか、馬体が増えないとか不安要素がたくさんあった。それでも勝ったあたりは能力が高いが、だからといって今回も大丈夫とは限らない。そうじゃなければ、ブッツケにならないでしょう。前走後に桜花賞一本に決まったあたりが、この馬の現状を証明している。今度も馬体が増えないと、成長力に疑問が出てくる。同厩のローブティサージュも、阪神JFを勝った後は苦戦続きだからね。
1週前の調教は53秒6-13秒0と目立ったものではない。レース日のパドックは、よく見ておいたほうがいいだろう」
阪神JFで好勝負したフォーエバーモアは、勝ったクイーンC以来の出走だ。
「あまり強い調教をしない鹿戸雄厩舎なので動きは地味だが、牝馬なのでこれでいい。先に行けるので馬場が良ければ、ハープスターを倒すのは無理でも、2着なら十分狙える」
桜花賞では、人気薄のエフティマイアを2着してアッと言わせた鹿戸雄厩舎。今年はそれ以上にチャンスがある。
1週前調教から、調子の良さが伝わるのはアドマイヤビジンだ。
「坂路で51秒5-11秒9。この時期の3歳牝馬で、上がり12秒を切るのは珍しい。陣営も調子の良さは感じ取っており意気盛ん。前走は16番枠という厳しい状況から4着まで押し上げた。先行勢に有利な流れだったから、これは価値が高い」
実績馬ではベルカント、ホウライアキコも順調だが、上昇度では後者のようだ。
「ベルカントはフィリーズレビュー勝負がミエミエだったからね。勝ってようやく本番にも出てくる気になったくらいだから、落ちてはいないが、変わり身も薄い。
それに比べホウライアキコは、1400mの前走勝負のイメージはあったが、直線で不利もあり、能力を出し切れなかった。当日の馬場次第だが、前残りの馬場ならチャンスはあるんじゃないか」
難解なハープスターの2着争い。実は川田騎手の乗り方でも変わってくる。早仕掛けなら、差し・追い込み勢が2、3着に入りそうだし、仕掛けが遅れれば、先行勢が粘りこむこともある。ハープスター陣営がどんな競馬を選択するか。レース当日までに、これをキャッチするのが、馬券的中への近道かもしれない。当然我々も、この情報探知に動きたい。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
WASHIZAKI
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