大改装が行われる京都競馬場は、2年半近く開催が休みとなる。これにより、例年は京都で行われているエリザベス女王杯が、今年は阪神で施行される。コースが変わる影響はあるのだろうか。
「阪神の2200mの代表的なレースは宝塚記念ですね。
今年の宝塚記念は上位を差し馬勢が固めましたが、データから阪神22000mは、前で競馬をした馬が勝つ確率が高いですね。今の阪神は、開幕週を見る限り時計が速いですし、2200mのコースは内回りなので、エリザベス女王杯も前で競馬ができる馬、または器用に立ち回れる馬が有利かもしれませんね」(データ解析班)
京都の2200mは外回りだが、阪神の2200mは内回り。このあたりは予想する上でも気をつけねばならない。この点を頭に入れて、有力馬を見ていきたい。
「やはり一番手に挙げたいのはラッキーライラックだね。
昨年のエリザベス女王杯の覇者だし、同じサンデーR所属のクロノジェネシスを天皇賞・秋に出したってことは、クラブ側(サンデーR)もラッキーライラックで自信があるんだろう。
阪神2200mは宝塚記念で6着に負けているけど、当時は馬場が悪かった。阪神内回り自体は、大阪杯で勝ってるから問題ない。
それに今回は、ルメール騎手に乗り替わり。申し訳ないが最近のデムーロ騎手は乗れていないし、逆にルメール騎手はスプリンターズステークス、天皇賞・秋を制し、菊花賞でアリストテレスでコントレイルを追い詰めたりとGⅠで絶好調。ラッキーライラックにルメール騎乗なんて、もう鬼に金棒だよ」(関西担当記者)
ノーザンFのエースジョッキーであるルメール騎手に乗り替わりとなれば、勝負気配の高さも伝わってくる。
ラッキーライラックを追うのは、実績からラヴズオンリーユーか。
「こうなるとラヴズオンリーユーは、不調のデムーロ騎手騎乗がマイナス材料になるかもしれない。
ただ、馬はいいと思うよ。今年の成績はイマイチだが、ドバイの中止があったり、極悪馬場(前走)だったりで、能力を出し切れていない。馬自体は、1週前の追い切りを見る限り叩いて良くなっており、デキは今年一番じゃないか。
エリザベス女王杯は昨年3着だったけど、その時との比較でも今年のほうがいい。阪神2200mは初めてだが、内回りの2000mで忘れな草賞1着、鳴尾記念ハナ差2着と結果を出している。好位でも競馬ができるので、コースは問題ない」(関西担当記者)
最近不調のラヴズオンリーユーだが、目標のGⅠに向けて調子は上がってきているようだ。デムーロ騎手も意地を見せたいところである。
ここまで2頭は関西馬。関東馬のお薦めはどの馬になるのか。
「こちらもGⅠ馬、ノームコアになりますね。
高速上りを武器に昨年のヴィクトリアマイルを勝利し、今年の安田記念ではアーモンドアイ、インディチャンプに急接近の4着。やはり東京マイルは合うだけに、小回り2000mの札幌記念は、能力は足りても適性が微妙と感じていました。しかし、レースでは鮮やかな差し切り。鞍上横山典騎手の巧みな手綱捌きもありましたが、見事なレースでした。これなら阪神2200mでも大丈夫だと思います。今開催は時計が出ているので、高速上り決着に強いこの馬には有利だと思います」(関東担当記者)
どうやら東西GⅠ馬3頭は、それぞれ馬自体に大きなマイナス点は見られない。こうなると今年のエリザベス女王杯は堅いのか。
「エリザベス女王杯は、3、4年前に3連単10万馬券を超える高配当になりましたが、4年前の12番人気2着シングウィズジョイ、3年前の9番人気2着クロコスミアと、先行した馬が穴を開けています。今年もコレといって逃げ馬はいませんし、内回り、時計の速い馬場を考えると、先行馬が面白いと思います。
そうなるとローズステークスを先行して押し切ったリアアメリアが挙がりますが、この馬はもともと人気先行型なので妙味がありませんね。
そこで推したいのはウインマリリンです。
フローラステークスは好位から内を衝いて勝利、オークスは序盤2番手から粘って2着と、前目で競馬をして好走しています。
秋華賞は、一時回避説が出たこともあって急仕上げ気味でしたし、馬場の悪い内を回らされてしまい、最後は失速してしまいました。デキは叩いた今回のほうがいいですし、前回の京都と違い、今回は内もきれいな開催2週目の内回り。前走とは真逆で、好走の条件は揃っています」(データ班)
3歳馬で2キロの斤量差もあるウインマリリン。内回りコースを味方につけ、GⅠ馬3頭を相手に大仕事を期待したい。
栗東在住ライター:鷲崎
WASHIZAKI
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