ハープスターに魅了された桜花賞だが、馬券的に面白かったのはひとつ前の大阪ハンブルクC。18頭立てのうえにハンデ戦の長距離戦と、荒れる要素が揃っていた。レースは、バンデが抜けた人気になっていたが、いつものよう先手を取れずに苦しい競馬になると、最後は伸びを欠いて3着。勝ったのは7番人気のタニノエポレットで中波乱になった。
このレースで、一部関係者の間で話題になっていたのがコアレスドラード。本来は大阪杯に出走予定だったが、直前になって回避し、大阪ハンブルクCにまわってきていた。
「コアレスドラードの大阪杯は鞍上も決まっており、取材陣もコメントを取って新聞に組み込む用意までしていたほど。なのに突然出走回避。どうしたのかと思ったら、豊(武豊)が『あの馬は自分が乗りたい』といったようなことを厩舎に伝えたらしいんだ。豊は大阪杯でキズナに乗っていたからね。翌週の大阪ハンブルクCに豊の騎乗馬が無いため、そこで乗ろうと考えたのだろう」(関西専門紙記者)
これが武豊騎手本人の意向かエージェントなのか微妙に分からないのだが、とにかくコアレスドラードは大阪ハンブルクCに出走するも、大敗に終わった。
「でも、よく話が分かってない人は、勝負になるからローテーションを伸ばしたと勘違いし、馬券を買った人もいたらしい。こうした情報って、人に伝わるうちに変わっていくから怖いわ」
馬券的なことはいいとして、武豊騎手が本当に自分の事情で馬のローテーションを変えたのなら、いよいよ昔に戻ってきたと言えるのではないか。
「昔はこんなことは普通だった。周囲も豊の乗り馬が勝ちあわないように配慮して、ローテーションを変えたりしていたからね。彼のために馬のローテが変わるなんて、久々に全盛の武豊を見た気がする」
最近は、一時疎遠になっていた社台系列の馬に騎乗するケースも増えてきた武豊騎手。復権が進む中、馬券も彼を中心に考えるレースが増えてきそうである。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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