今年の阪神ジュベナイルフィリーズは、注目点が2つある。
同じ一族で、お互い重賞2連勝中のソダシとメイケイエールの対決。
もう一つは熊本産同士で、ともに混合のオープン特別を制しているヨカヨカとルクシオンの2頭である。
まずはソダシとメイケイエールから見ていこう。
白毛馬シラユキヒメを源にした一族は約半数が白毛で、ソダシも白毛だが、メイケイエールは鹿毛である。
また活躍馬の多くはダートをメインとしているが、この2頭はともに芝でデビューし、重賞2勝を含む無敗の3連勝。GⅠである阪神ジュベナイルフィリーズの舞台で、ついに初対決を迎える。
「世紀の対決と言われたジャパンカップをはじめ今年は興味深いレースが多かったのですが、この阪神ジュベナイルフィリーズの同族無敗対決も楽しみですね。
できたらメイケイエールも白毛なら、『GⅠ初の白毛対決』を謳い文句にできたのですが。
2頭を比較すると、同じ3連勝でもソダシはマイル以上、メイケイエールは1400m以下と走ってきた距離が違います。ともに折り合いに不安を抱えており、特に目立つのはメイケイエールのほう。この点を考えると、マイルの実績もあるソダシが優勢のような気はしますね。
洋芝デビューとダート向きの血統から速い時計の対応に疑問を持っていましたが、前走のアルテミスステークスで不安を払拭したのは大きいです」(データ解析班)
と3連勝中の同族2頭では、ソダシのほうが安心して馬券を買えると話す。
それでは九州産の2頭、ヨカヨカとルクシオンを見てみたい。
ヨカヨカはデビュー戦で、後に京王杯2歳ステークスを勝つモントライゼを破り、ここから3連勝。前走のファンタジーステークス5着で初黒星を喫している。ルクシオンは、新馬勝ち後4、4着。そして前走の福島2歳ステークスで豪快な差し切りを演じている。
「どちらも良績が1200m戦なので、マイルの距離が微妙ですね。2頭の比較では、血統的にルクシオンのほうがマイル戦では有利な気がします。ただ馬券を買えるかとなると、さすがにここは相手が強いと思います」(データ班)
注目の熊本産2頭だが距離不安もあり、上位争いとなるとさすがに難しそうである。
となると、馬券の軸はやはり実績上位のソダシ、メイケイエールの同族2頭になってしまうのか。この同族ラインに割って入る馬を探したい。
「2連勝中のエイシンヒテンが出てくれば、同じく逃げて2連勝のポールネイロンもいるので、ぺースは遅くはなるまい。ソダシ、メイケイエールも気性的に早め進出となるので、前はきつくなるだろう。そうなるとオパールムーンの出番だ。
ファンタジーステークスは最後方からの競馬となったが、直線だけで2着まで押し上げ、メイケイエールに迫った。レース上り3F34.8秒に対し、こちらは33.5秒。1.0秒以上速いんだから、この馬の脚がどれだけ凄かったか分かる。その前走は内回りの京都1400m。距離が延び、直線も長くなる阪神マイルなら差し切れるんじゃないかな」(関西担当記者)
差し馬なら、こちらの関東馬も忘れてはなるまい。
「ジャパンカップ1着のアーモンドアイ、4着のカレンブーケドールは、ともに国枝厩舎の牝馬。やはり国枝ブランドの牝馬は特別です。阪神ジュベナイルフィリーズに出走するサトノレイナスも相当な器。
ノーザンF屈指の評判牝馬で、馬主の里見氏もPOG本でこの馬一頭を特別視しているかのように絶賛していました。そんな期待感に応え、デビューから2連勝。特に前走のサフラン賞は、他の馬が霞むくらい末脚がずば抜けていました。
全兄が菊花賞3着のサトノフラッグでオークス向きのような気もしますが、この馬自身はマイルで2連勝しており距離は大丈夫。国枝厩舎にはアカイトリノムスメ(母は三冠牝馬アパパネ)という楽しみな牝馬がいるのですが、その馬を温存してサトノレイナス一頭を送り込んできたところを見ると、自信があるのだと思います」(関東担当記者)
国枝厩舎の牝馬と聞いただけで、サトノレイナスへの期待感は増してくる。
ソダシ、メイケイエールの同族対決は、情報からソダシ優勢。ただライバルは同族に非ず。特に国枝牝馬のサトノレイナスは強敵だ。
同族2頭、九州産2頭に注目の集まる阪神ジュベナイルフィリーズだが、馬券はソダシ、サトノレイナスの2頭がお薦め。
ともに上位人気が予想されるが、阪神ジュベナイルフィリーズは近5年で3連単の4桁配当が3度と、GⅠの中では波乱の少ないレース。堅実に的中を目指そう。
栗東在住ライター:鷲崎
WASHIZAKI
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