今週は、スポーツ新聞の競馬欄のどこを見ても皐月賞の話題ばかりだが、前日のアンタレスSも忘れてはならない重賞レース。GⅠウイナーのニホンピロアワーズが出走し、注目度は高い。
「一昨年のジャパンCダートでは、ダートのトップクラスを子供扱いするような楽勝。これからはこの馬を中心にダート界は動いていくと思われたが、ホッコータルマエの存在の前に、厳しい競馬を強いられた。ただホッコータルマエ不在のレースではJCダート以降3戦3勝。今回は天敵がいないから勝てるんじゃないの。斤量も昨年が59キロでホッコータルマエの2着。今年は58キロで、ホッコータルマエほどの馬がいないからね。こうなると圧勝もある。問題は、ニホンピロアワーズがいつ仕掛けるか。早めに動き出すと、先行勢はきつくなり、東海Sのように2、3着は差し馬勢という可能性もある」(専門紙記者)
地方交流では、コース形態もあり2、3着も先行勢が残ることもあるが、中央競馬ではそんな単純にはいかない。ホッコータルマエのいないメンバー構成なら、ニホンピロアワーズが積極的に仕掛ける可能性は大。そうなると、どの馬が浮上するのか。
「近走内容からはナムラビクターが推し。2月までは解散した(野村調教師が定年)野村厩舎所属で、どこへ移籍するか注目されていた馬。『ナムラビクターはウチの厩舎に来て欲しいなあ』と、周囲からラヴコールもあったほどの馬だが、結局ナムラさんの馬が多い福島厩舎へ移り、転厩初戦はしっかり勝利をおさめた。
今が充実期でいつでも重賞は勝てるが、今回は相手が相手。そのニホンピロアワーズと脚質が似ているんだよな。鞍上の小牧がどう乗るかだね。強気に倒しに行くと、ゴール前で失速するというシーンもなくはない。スムーズにいけば、2着は取れると思うが」
別の記者はソロルを推すが、こちらも問題が。
「差し馬勢の中で、絶好調と言えるのがソロルなんだよ。マーチSを勝ったら放牧というプランもあったが、勝った後もダメージが残るところか更に良くなってきて、これはもったいないと続戦になった。
問題は鞍上のペドロサ。芝は2勝しているが、ダートは25戦して0勝、3着が2回あるだけ。1番人気で着外も2度ある。ダートがダメな上に、他馬の妨害をして評判も悪い。買いたいんだけどなあ……」(記者)
馬はいいが騎手が問題では、買うのは怖い。他ではゴールスキーが「最近またかかり癖が出てきた」、ダノンバラード、ミッキードリームは、「芝が頭打ちで仕方なくダート戦出走のイメージ。血統は合うのだが」などなど、あまりいい話はない。こうなると残るのはエアハリファか。
「角居厩舎が今年、特に期待をかけている馬。前走は休養明けで、しかも距離が短いと思われたが、力の違いで押し切った。叩いた効果もあるし、慣れた中距離に戻るのもいい。福永騎手だから、ニホンピロアワーズが早目に動いても、焦って追いかけることは無いだろう」
ニホンピロアワーズ断然の色が濃いアンタレスS。2着争いのお奨めは、トレセンで拾った話からはエアハリファが面白そうである。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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