皐月賞馬イスラボニータが人気になる今年のダービー。もともと左回りばかり使われ、ダービー勝負をにじませていたが、前走の皐月賞で初めての右回りながら快勝。こうなったら得意の東京を迎え、更にイスラボニータ優勢の形ができあがりそうである。
ただダービー狙いはイスラボニータだけではない。その一頭がワンアンドオンリーだ。
「もともと脚質的には中山よりダービー向きだし、何より橋口先生がダービー2着が4度もありながら、勝ち馬がゼロ。定年でチャンスは残り2回だから、意欲は他の陣営より高いんじゃないか」(関西専門誌記者)
ただ皐月賞前に坂路で50秒台の早い時計を出し、やり過ぎの噂が出た馬。実際馬体重はマイナス8キロで、少しガレていると見た関係者もいたほど。そこまで仕上げてしまい、ダービーへお釣りはあるのか。
「あれは無理に仕上げたわけではなく、想定外であんな時計になってしまった。確かに厩舎としては思った通りの仕上げでは無かったと思うが、それでも4着に入った。そして何より、その反動が無かったのが大きい。ここまで順調に来ており、いい感じでダービーを迎えられそうだよ」
どうやら心配は杞憂のようだ。そしてもう一頭、ダービー勝負の馬といえばコレだ。
「池江勢ではトーセンスターダムだろう。デビュー当時から皐月賞よりダービーを想定してつくってきた馬。とはいえ皐月賞は負け過ぎの感もあるが、勝負どころでバランスを崩したようだし、いつもと違う戦法(好位置を取る)に戸惑ったところもあったのだろう。
仕上げは今回のほうがいいし、2週前調教も、僚馬のトゥザワールドがイマイチだったの対し、こちらは良かった。1週前はトゥザワールドも良くなっていたが、トーセンも順調で、ダービーへの流れならトゥザワールドよりトーセンスターダムのほう。前回大敗で人気が落ちるから、穴で面白い」
他にもベルキャニオン、ハギノハイブリッドなどダービータイプはいるのだが、ローテーションがきつい。
それならハープスターと2度に渡って好勝負をしたレッドリヴェールを挙げる関係者がひじょうに多い。
また穴馬にワールドインパクトを挙げる人もいる。
「ハギノハイブリッドを子供扱いにした大寒桜賞の内容を考えると、青葉賞は少々物足りなかったが、全力を出した結果とは思えない分、本番にお釣りを残していそう。東京の2400mは合うタイプで、真の力を出せれば好勝負できるのでは」
オークスと違い、波乱もありそうな今年のダービー。イスラボニータ有力も、ダービー向きのワンアンドオンリー、トーセンスターダム、ワールドインパクト、そして牝馬のレッドリヴェールあたりは逆転のチャンスが十分ある。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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