今年の宝塚記念のファン投票は、タイトルホルダー(1位)、エフフォーリア(2位)の2頭で、3位以下を大きく引き離した。恐らく馬券も、この2頭を中心に売れるだろう。
タイトルホルダーは、ここ4戦でGⅠを2勝、GⅡを1勝。特にGⅠ2勝はともに2着以下を大きく引き離す圧勝だった。
エフフォーリアは前走の大阪杯こそ初めて崩れたが、昨年はGⅠを3勝。天皇賞・秋、有馬記念では古馬を一蹴している。
そして注目すべきは鞍上。
タイトルホルダーは横山和生騎手(兄)、エフフォーリアは横山武史騎手(弟)と、GⅠの大舞台で兄弟2人が人気2頭に騎乗して対決する。直線で人気2頭、兄弟2人によるマッチレースが見られたら最高だろう。
「人気的には、可能性はありますね。
宝塚記念の過去10年(データは、以降も過去10年が対象)の人気別成績を見ると、1番人気は3勝、2着2回、3着1回で、複勝率60%。2番人気は2勝、2着1回、3着2回で、複勝率50%。
ここまではいいのですが、3、5番人気は複勝率20%、4番人気は複勝率10%と数字が一気に落ちます。このように宝塚記念は1、2番人気が強いですから、この点ではタイトルホルダー、エフフォーリアは安心です。
なお、6番人気は複勝率が40%あり、10番人気20%、12番人気25%と、3~5番人気と二桁人気の複勝率が変わりません。馬券的には1、2番人気から、穴馬へ流すのが基本というのが宝塚記念のパターンです」(データ班)
では、この2頭のどちらを軸に選択すればいいのか。投票1位のタイトルホルダーから見ていきたい。
「天皇賞・春が7馬身差の圧勝。ゴール前で2着以下が止まっていたようなレースなので、さすがに反動が気になったけど、1週前の追い切りを終えて、栗田調教師が前走より断然いいと話していたので、これなら大丈夫だろう。
今回は2200mになるけど、皐月賞で2着に来ているし、そりゃあ3000m超ほどの信頼感はないけど、距離短縮で一気に成績が落ちることはないだろう」
ただ展開面で心配な面も。
「宝塚記念にはパンサラッサが出走するので、逃げるのは難しい。同じくパンサラッサが出走した有馬記念では2番手から粘れず5着。今度も同じような可能性はあります」(レース解析班)
データ班も不安点を挙げる。
「人気的にはいいと話しましたが、臨戦への過程は不安です。
というのも、天皇賞・春から臨戦の馬を見ると、天皇賞・春で3着以内だった馬が15頭出走し、馬券圏内に3着に入った馬は一頭(キタサンブラック、単勝1.4倍で3着)のみと絶不調。複勝率はたった6.7%なんです。
つまり、1着タイトルホルダーだけでなく、3着のディープボンドもデータ的にはヤバいということです。
これに対し、前走天皇賞・春6着以下の馬は、複勝率35.2%。二桁人気で馬券になった馬もいるので、穴を狙うなら、天皇賞・春6着以下の馬です。今年はマイネルファンロン、メロディーレーンが該当します」
これにはレース解析班から意見があるようだ。
「2年前までの宝塚記念は、開催8日目で馬場が重くなっていた。今年は開幕4日目で、昨年のように馬場がいい可能性は高い。そうなると、スタミナ型の馬が多い天皇賞・春組は、そもそも厳しいんじゃいか?」
馬場の良かった昨年は、天皇賞・春3着のカレンブーケドールが宝塚記念4着、天皇賞・春4着のアリストテレスは宝塚記念9着、天皇賞・春6着シロニイは宝塚記念でシンガリに敗れている。開幕4日目開催の今年も、天皇賞・春組全体が微妙といえるかもしれない。
次にエフフォーリアを見てみよう。
≫ 続きはログイン内で
栗東在住ライター:鷲崎
WASHIZAKI
熟練競馬ライター達がとある事情で新聞・テレビなど一般メディアでは取り上げられない業界の「アウトな裏話」を会員様限定でこっそりと公開!