ダービーが終わると、祭りの後のような、なんか寂しい気分になってしまう。だが今年はそんなノンビリムードは無い。安田記念が、かつてない豪華メンバーになるからだ。
「やっぱり注目はジャスタウェイ。昨年の秋の天皇賞はケタはずれの強さだった。あの一戦だけなら嵌っただけともいえたが、中山記念もいつもと違い中団につけて楽勝。そして驚愕は前走のドバイデューティーフリー。世界の大物を子供扱いの圧勝だからね。周囲から『世界最強』なんて声も出たようだが、ワールドベストランキングでも、日本馬初のトップだからね。あの強さが今回も見られるのか楽しみだ」(関西記者)
本来ならジャスタウェイの独壇場になりそうなのだが、今年の安田記念はこれだけではない。かつてGⅠ候補として挙げられていた期待馬が復活し、ここへ臨んできたからだ。
「やっぱりワールドエースが復活したのは大きい。クラシック候補の筆頭格と言われながら、惜しくも皐月賞、ダービーを勝てず、その後は屈腱炎で長期離脱。もう駄目かと思ったが、前走のマイラーズCで復活。マイルのペースにも戸惑うことなく好位につけ、最後は楽に抜け出して快勝だからね。まだまだ余裕のある競馬で、時計はレコード。確実に昔より強くなり、大器の期待通りに成長してきた。まだまだ良くなると思わせる雰囲気はあるよ」
同世代のゴールドシップ、フェノーメノ、ジェンティルドンナがGⅠで活躍しているが、元はワールドエースへの期待のほうが高かった。ここから快進撃が始まっても不思議ない。
また同世代の復活組は、この馬もいる。
「グランデッツァも屈腱炎から再起。前走は時計も勝ち方もぶったまげたけど、あれくらい走って当然の馬。皐月賞で1番人気になった馬だし、スプリングSでは後のダービー馬ディープブリランテを瞬く間に交わした脚力の持ち主だからね。元から古馬になったらマイルで活躍すると思っていた馬。時計勝負なら負けない」
2頭の実力馬の復活は、競馬を盛り上げるためにひじょうに大きな存在。ただ強い競馬をした直後だけに反動が怖いのも事実。そこで、こちらの復活組はどうだろう。
「ようやくショウナンマイティが良くなりつつある。昨年の安田記念は不利が無ければ勝っていた内容。オルフェーヴルとも好勝負したことがあるように、GⅠを勝てる力はあるが、最近は馬体減や、雪の順延で体調を落としたりと満足なレースができていない。ただ1週前の調教は北村宏が栗東に乗りに来て、いい感じで動いていた。調子さえ戻れば、この相手でもやれる」
他にもNHKマイルCの覇者カレンブラックヒル、ミッキーアイル、グランプリボス、マイルCS覇者のトーセンラー、サダムパテック、安田記念覇者のリアルインパクト、ヴィクトリアマイル覇者のホエールキャプチャなど、マイルのGⅠウイナーが多数出走。
ダービーが終わっても安田記念、そして夏の祭典宝塚記念へ向けて、競馬はまだまだアツくなる。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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