今年は中山の馬場が重く、ディープインパクト産駒やキングカメハメハ産駒のような末の切れ味を武器にする馬が大苦戦を強いられた。それはクラシック戦線にも影響し、期待のディープインパクト産駒がなかなか好結果を残せなかった。
「中山が終われば、東京開催が始まる。そうなればディープ産駒の出番」
そう思っている人は多く、ダービーになればディープ産駒が上位にたくさん入ってくると見られていた。実際、昨年はディープ産駒のキズナが優勝。一昨年も優勝がディープブリランテ、3着トーセンホマレボシ、4着ワールドエースと、ディープ産駒が好成績を残していたからだ。
今年はトーセンスターダム、ワールドインパクト、ベルキャニオン、サトノルパンと4頭が出走。それぞれ良血馬であり、デビュー前から期待の高かった評判馬である。しかし結果は、誰も掲示板に載れないまま終わってしまった。
「ダービー出走の4頭以外にも、ディープ産駒はいい馬がたくさんいたよ。特に大評判だったサトノアラジン、ラングレー、ガリバルディらは初勝利の内容も上々で、普通にクラシック戦線に乗れると思ったのだが。他にもステファノス、アデイインザライフなど、良さそうな馬はいたんだけど、結局思ったほどの成長力は無かった。ダービーに出ていたワールドインパクト、トーセンスターダムも、他のダービー出走馬に比べると完成度が低いしね。
ハープスターのように夏のうちにクラシックに出られるだけの賞金を稼いでおいた馬はいいけど、秋以降のデビュー馬は12月、1月に賞金を稼がないといけないんだけど、この時期のオープンや500万は内回りのレースばかりで、ディープ産駒は苦戦傾向にある。ただ、ここを避けると2、3月のレースで負荷がかかり、クラシックシーズンの頃は疲労で失速してしまうケースがある。ラングレーやサトノアラジンは、その典型じゃないか」(雑誌記者)
POGでは抜けた人気になるディープインパクト産駒だが、今年はハープスター、ミッキーアイルを取っていない人はかなり苦戦したという。今年のPOGも、ディープ産駒を取る際は、あまりデビューが遅そうな馬は敬遠したほうが良かろう。できれば9月の阪神(ディープブリランテ、ミッキーアイルが該当)あたりには出られる馬を取りたいものである。
(美浦ライター:高木)
栗東在住ライター:鷲崎
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