サイレンススズカ対エルコンドルパサー対グラスワンダー、オグリキャップ対イナリワン対メジロアルダンなどなど、古くから好メンバーによる名勝負が展開されてきた毎日王冠。今年もGⅠ馬4頭を筆頭に、秋競馬を盛り上げてくれる面々が集まった。
「バリバリのGⅠクラスが出てくるので、人気馬は強いですね。特に1番人気は、過去10年(以降もデータは、主に過去10年を対象)で7勝と勝率は70%。しかも現在4連勝中です。ただ2,3着はゼロなので、買うなら頭が基本です。
2番人気は2着2回のみで連対率は20%と不調ですが、3~5番人気は複勝率がそれぞれ40、50、40%と上々。この結果から、最近3年の3連単は2820円、3430円、1000円と万馬券に届かず、堅いレースが続いています。8、10年前は3連単が30万円台なんて頃もあったのですが…」(データ班)
この傾向から、上位人気候補を探っていこう。
「まずはサリオス、何と言っても一昨年の毎日王冠の勝ち馬だからね。一時は着順が人気を下回る結果が続いたけど、昨年末の香港マイルで3着、そして今年の安田記念でも3着と、だいぶ良い頃に戻ってきている。本来ならGⅠへ向けての叩き台だが、2年前の毎日王冠以来勝ち星が無いのだから、ゲンのいいレースということもあり、勝ちに来るだろう。実際1週前の追い切りでは、1F11秒1の高速上りをマークし、ヤル気が伝わってくる」(情報担当記者)
ローテーション的にもサリオスは合っているという。
「前走安田記念からの臨戦は、全体だとイマイチ。ただ安田記念4着以内の馬は、連対率38.4%、複勝率53.8%と好成績なので、安田記念3着のサリオスは大丈夫ですね。因みに安田記念5着以下は、14頭で馬券圏内無しです」(データ班)
データもクリアするとなれば、本命候補の一頭に入れて良さそうだ。
そのデータ班は、レイパパレを挙げる。
「牝馬は5戦2勝、2着1回で連対率60%と、毎日王冠に強いんです。馬自身も今年に入って金鯱賞、大阪杯と2着。ヴィクトリマイルは崩れましたが、スタートで落馬寸前の不利があったので、着順に捉われる必要はないです。むしろ、これで人気が下がれば美味しいですね」
情報班も、「川田騎手が、パイプの太いダノックスの馬(ダノンザキッド)に乗らず、レイパパレに騎乗するのは、こちらのほうが計算できるということ」と推測する。
そのダノンザキッドは、川田騎手から戸崎騎手に乗り替わる。
「GⅠを勝っているけど、2歳時の話。最近の好走はマイルに限られており、1800mは微妙。川田騎手が騎乗しないということが答えだろう」(情報班)
GⅠ馬の解説が続いたので、大阪杯勝ち馬ポタジェも触れておこう。
「大阪杯を勝った後の宝塚記念は大敗。どうも暑さが応えたようで、能力負けではない。昨年の毎日王冠では3着に来ており、GⅠウイナーになった今なら、昨年以上の結果も望める」(情報班)
ポタジェも、前走大敗でオッズがつくようなら面白い存在だ。
4頭のGⅠウイナー以外で、気になる馬を挙げてもらおう。
「ノースブリッジじゃないですか。デビューから2連勝した頃は、同じくデビュー2連勝だったエフフォーリアの比較対象になっていたほどの馬。実際2連勝の内容は、エフフォーリアに劣ってなかったと思います。ただエフフォーリアが皐月賞を勝ち、後に天皇賞・秋、有馬記念まで勝ったのに比べ、ノースブリッジは爪の不安で順調に使えず、大きな差がついてしまった。でも軌道に乗ってからは快進撃で、毎日王冠と同コースのエプソムCを勝ったことは大きい。前で競馬ができるので、開幕週の馬場もいいでしょう」(レース解析班)
データ班も、「前走エプソムC組は、複勝率41.7%。エプソムC勝ち馬は、連対率42.9%、複勝率57・1%と好成績」と好印象だ。
そのエプソムCで4着のジャスティンカフェは、ノースブリッジにリベンジなるか。
「2走前に勝った湘南Sは、勝ち時計、上り時計ともに優秀。エプソムCは1番人気で4着と期待を外したけど、最速上りで勝ち馬から0.1秒差まで詰めています。上り勝負になればチャンス到来です」(レース解析班)
開幕週の馬場なら、上りも速くなるはずで、この馬に向きそうである。
ここで情報が出揃ったのです、まとめに入ろう。
1番人気が強い「銀行レース」の毎日王冠。ただ今年のメンバーを見ると、サリオス、レイパパレ、ノースブリッジら上位人気候補はいるものの、はっきり1番人気と言い切れず、全体的には混戦模様に見える。もしかして今年の毎日王冠は久々に波乱となるのか?
「サリオスが1番人気のような気もしますが、オッズをじっくり見て、1番人気になりそうな馬を買うのもいいと思います。ただ、こんな状態だと久々に穴馬台頭もあるかもしれませんね。逃げ馬が2勝、2着2回、3着1回で、連対率40%、複勝率50%というデータもありますから、逃げ馬から入るのも手かもしれません」
該当馬を探すと、前走で大逃走を決めたレッドベルオーブか。近年の傾向に当て嵌めるならサリオス、レイパパレ、ノースブリッジが軸でいいが、上位拮抗のメンバー構成から、今年は一発穴狙いで、先行馬のレッドベルオーブを狙うのも一考だ。
栗東在住ライター:鷲崎
WASHIZAKI
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