もともと差しが決まりやすい中京コースだが、開催最終日になる中京記念の頃には、この傾向がさらに強くなる。ここ2年も、後方にいたフラガラッハが大外強襲を決めて2連覇している。そのフラガラッハが今年も出走してきた。
「メンバー中上位の上がり時計を出しても、なかなか馬券圏内に入れないほど、脚を余すことが多い馬。必ず伸びてくるので見ていて楽しい反面、馬券を買うと届かずイライラする馬なんだが、中京記念は別。差しが決まりやすい馬場もあって2連覇。ちょっと極端過ぎる追い込み馬でも届くのが中京記念の面白いところだよ」(雑誌記者)
ならば単純に2連覇のフラガラッハから買えばいいのだが、ここはハンデ戦。さすがに2連覇の馬に楽なハンデを課すことは無く、そう簡単に3連覇を許す状況では無い。
そこで浮上するのがフラガラッハのような、普段は差して届かないもどかしい馬となる。
「人気になってしまうが、フラガラッハよりも差し脚は勝っているダイワマッジョーレだな。重賞勝ちが京王杯SC一つに対し、重賞2着は5回。そのうちの一つはGⅠのマイルCSだ。この実績でも分かるように、かつては差して届かず2着の代表みたいな馬だったが、最近はマイルCSで好位につけられたように競馬が上手になったから、もっと勝ち星は増やせるだろう。
ただ今回は休養明けのハンデ戦。無理な競馬をさせずに中団以降から行くだろうから、逆に中京記念の傾向に嵌りやすいんじゃないかな」(専門紙記者)
もっとフラガラッハに近いタイプとして、この馬を挙げる人もいる。
「能力はあるけど、脚質からなかなか重賞を勝てないのがサトノギャラント。
最後方に近いところを追走し、直線で一気に伸びてくる。いい感じで交わしていくんだけど、最後は届かずってのが多い。前走の谷川岳Sでも上がり3F32秒3という凄い時計を出しながら結局2着。そんな同馬にとって中京記念はコースも距離も合うし、重賞初制覇の最大のチャンス。これを逃すと痛いなあ」(関東記者)
左回りの重賞を3勝しているクラレントに、GⅠ馬サダムパテック、久々になる池江勢の実力馬2騎トーセンレーヴ、マウントシャスタなど魅力のある馬は他にも多々出走。激戦が予想される中京記念だが、このレースらしい大外一気の大逆転劇が見たいなら、先の2頭はお奨めだ。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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