別定のGⅡだが、過去10年で3連単10万超は4回。2年前は71万馬券が飛び出している。
「近年の波乱のケースは、明け4歳で単勝2倍以下の人気馬が負けている(昨年ガイアフォース、一昨年オーソクレース、5年前フィエールマン)パターンですね。
そもそもアメリカJCCは過去10年で6歳馬が4勝、5歳馬が3勝と、ベテラン勢が活躍しているレース。今年の明け4歳馬はモリアーナ、ショウナンバシットが予定していますが、断然人気まではいかないと思うので、近年の波乱のパターンには嵌らないと思います」(データ班)
このあたりを考慮しながら、有力馬を挙げてもらおう。
「ベテラン勢がいいと言いましたが、特に今年は8歳馬(ボッケリーニ、カラテ、マイネルウィルトス)に有力が多いですね。でも、ちょっと年齢が上過ぎる気もします。8歳馬は過去10年(以降もデータは、主に過去10年を対象)で21頭出走し、3着が1頭のみ。この8歳馬は多くが人気薄なので、上位人気候補もいる今年の8歳馬は大丈夫かもしれませんが、ちょっと気になるデータです。
そこで、6歳馬のチャックネイトを挙げます。ここまで14戦し、馬券圏内を外したのは2戦のみの安定感は頼りになります。前走のアルゼンチン共和国杯で3着に来たように重賞でも力は通用しますし、馬主の金子真人HDも過去10年で4頭出走し1着(シャケトラ)、3着(ボッケリーニ)一頭ずつで、複勝率は50%あります」
レース解析班は、ボッケリーニを挙げる。
「安定感ならボッケリーニのほうがいいんじゃないですか。なにせアメリカJCCは2年前に3着に来ているし、昨年はGⅠこそ着外だけど、それ以外の4戦(GⅡ、GⅢ)は全て馬券圏内。
そして馬主は、この馬も金子真人HD。ここ2戦は2着ですが、着差はそれぞれクビ差、ハナ差の接戦。有力どころは休養明けの馬が多く、前走よりも相手弱化の今回は勝利が見えています」
情報担当は、ラーグルフを推す。
「中山金杯を勝ったほか、中山記念2着、ホープフルS3着など中山は得意にしているコース。しっかり中山に照準を合わせているだろうから、久々でも勝負と見ていいんじゃないか。昨年の中山記念はヒシイグアス、シュネルマイスター、スタニングローズを相手に2着だから、今年のアメリカJCCなら力は上だ」
チャックネイト、ボッケリーニ、ラーグルフと挙げてもらったが、他に穴っぽい馬はいないのだろうか。
「前走ジャパンCから臨戦の馬は、過去10年で5頭おり、3着が2頭(複勝率40%。今年該当するのはショウナンバシットです。ジャパンCは11着でしたが、3着に来た2頭はいずれもジャパンCで二桁着順で、うち一頭は同じ馬主のショウナンバッハ(ジャパンC12着→アメリカJCC7番人気3着)というのもいいですね」(データ班)
上位人気候補と思われるモリアーナ、バトルボーン、マイネルウィルトスの名が出てこないので改めて聞いてみたが、モリアーナは特別ネガティヴな話は無し。ただバトルボーンは、「1週前段階で、白富士Sと二択ってのが気になる」(情報班)、マイネルウィルトスは「最近は長距離に好走が偏っている。中山の2200mは微妙」(解析班)と、ネガティヴな意見が出た。
そろそろまとめに入ろう。
ベテラン勢が強いとの傾向から8歳のボッケリーニ、6歳のチャックネイトをねらいたいが、2頭の比較では過去10年で最多4勝の6歳馬からチャックネイトを挙げたい。ともに2頭は金子真人HDの馬。こうなったら同馬主の親子丼を決めてもらいたい。
栗東在住ライター:鷲崎
WASHIZAKI
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