ここ3年、アヴェンチュラ、アイムユアーズ(2年連続)と、3年連続して1番人気が勝っているクイーンS。しかし2着を見ると、3年前が10番人気コスモネモシン、2年前が10番人気ラブフール、昨年が8番人気スピードリッパーと、必ずしも堅いレースとは言い難いレース。今年もひと波乱あって不思議ではない。
今年の出走予定メンバーで目を引くのはスマートレイアーの存在だ。鋭い差し脚を武器に、ここまで9戦5勝。GⅠヴィクトリアマイルは人気を裏切る形となったが、それでも勝ち馬からコンマ4秒差と大きく負けているわけではない。そんな馬がローカルのGⅢに出走なら力が違う気がするのだが、主戦の武豊騎手が落馬による怪我で騎乗できないことがどう影響するか。
「クセの少ない馬なので、他の騎手でも大丈夫だとは思うが、問題は脚質。小回りよりは広いコースのほうがいいだろうし、2週目の札幌では先行馬や内目を通った馬のほうが有利。不器用な馬なので、このあたりはマイナスだ」(専門紙記者)
同じ理由で少々不安なのはディアデラマドレだ。
「前走は内回りの阪神マーメイドSで重賞制覇。あの結果から大丈夫に思えるが、この馬も直線の長いコースのほうがいいタイプ。マーメイドSは相手もかなり弱く、唯一能力の高いフーラブライドとは3キロの斤量差があった。今回は相手強化に、斤量も同じ。前走よりも更に強い競馬をしないと、同じ結果は望めない」
これらの話を聞くと、ある程度前に行く馬が有利ということになるが、このあたりに面白い馬はいるのか。
「中山牝馬S2着、福島牝馬S1着と、先行して好結果を出しているケイアイエレガントは有力だろうが、もっと面白そうなのがオツウ。
現在3連勝中で上がり馬に見えるが、元は立派なクラシック候補。新馬の勝ち方は派手なもので、この頃は『オークスは決まった』なんて声も関係者から出ていたほどだよ。
その後も紅梅Sでレッドオーヴァル、メイショウマンボの3着と、クラシック候補らしいレースをしていた。だが、使うたびに体重が減り、ローテーションが厳しくなったことから、成績は低下。その後もダートでイマイチで、もう終わってしまったのかと思ったら、今頃になってV字回復してきた。あまり知らない人にとっては格下のイメージが強いかもしれないが、元のこの馬を知っている人にとっては、ようやく期待通りになってきたってところだ」(雑誌記者)
かつてはオークス候補だった馬が、忘れた頃に進撃を開始。背景を考えると少し人気になりそうなところは微妙だが、勢いと素質から、一気に4連勝で重賞制覇も難しくなさそうだ。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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