今週は札幌記念の話題ばかりで、存在感の薄い北九州記念だが、3連単で2年前に99万、4年前に20万、7年前には150万が出たように大波乱傾向が強き、馬券で面白いのは間違いなくこちらだ。今年も展開が難しいうえに、馬場も読みにくく、波乱の要素はたくさん詰まっている。
展開面の動きは、厩舎がベルカントの抑え宣言を出していること。といっても差すというより、先行勢の後ろの好位につけるのが目標らしい。またアイラブリリも抑え宣言だが、こちらは同厩のアンバルブライベンが逃げると考えていいだろう。
となると逃げは、このアンバルブライベンにメイショウイザヨイか。いずれもテンの3F33秒前後の脚を持つため、ベルカントらが抑えても、結局ハイペースは避けられない。
「北九州記念の過去の成績を見てもらえれば分かるが、中団より後ろにつけていた差し馬が台頭するケースが多く、特に穴馬にそれが見られる」(専門誌記者)
どうやら今年も差し馬にチャンスがありそうだが、今年は更に馬場もよく考慮せねばなるまい。
「ニュースでもやっていたが、北九州は金曜日に一部で避難勧告が出るほどの大雨が降った。最近は週末になると雨が多く、馬場も少しずつ傷みが増していく。今週末もパンパンの良馬場は望みにくい」
展開、馬場。この2つを考えると、浮上するのはエピセアロームだ。
「差す競馬もできるし、以前荒れた馬場で6馬身差圧勝したことがあり、馬場が悪くても大丈夫。更に夏に強く、小倉も強い。前走CBC賞もベルカントを負かしに行ったところを差された2着で、内容は悪くない。調子もいいし、メンバーで一番好材料が揃っている」
馬券の軸はエピセアロームが一番ふさわしいようだが、これでは堅い馬券になってしまう。穴馬で面白い馬はいないのか。このあたりの情報を探っていくと挙がったのがリトルゲルダ、リアルヴィーナス、スギノエンデバー、ニンジャ、ルナフォンターナというあたり。いずれも差し系統の馬だ。ただ注文が付く馬もいる。
「リアルヴィーナスとルナフォンターナは良馬場向きで、馬場の回復が遅いと厳しい。またルナフォンターナの場合は、陣営がハンデの55キロにも不満を漏らしていた。まだ重賞経験が一度(前走CBC賞)でしかも8着の馬が、重賞2勝のエピセアロームと同じハンデというのは確かに可哀想だ」
ニンジャも名が挙がるが、「馬券圏内ギリギリの着順が多い(3~5着)タイプ」というのは積極的に買い難い。
そこで残った2頭が狙い目になりそうだ。
「スギノエンデバーは1週前調教が動いた。調教とレースが結びつくので、これはいい傾向。時計がかかると差しやすくなるので、今週の馬場は合いそう。
リトルゲルダの前走は、体を戻すのが主眼の調整で、今回のほうが断然いい。陣営も『筋肉が戻ったし、1200mのほうがいい』と期待が高まっている。2戦前には新短距離王候補だったレディオブオペラとハナ差の3着と力もある」
いろんな関係者の話を総合すると、面白いのはスギノエンデバーとリトルゲルダの2頭。北九州記念は、この2頭を中心に大穴を狙いたい。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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