サマースプリントシリーズの最終戦となるセントウルSだが、スプリングSの前哨戦という位置づけにもなっている。となると当然、サマースプリントシリーズで優勝を狙える馬のほうが勝負気配は高いはず。実際北九州記念勝馬リトルゲルダ、CBC賞勝馬トーホウアマポーラなどは、ここを勝てばローブティサージュを抜いてトップになるので、勝負気配はかなり高い。
と思っていたのだが、トーホウアマポーラのほうは少々テンションが低い。
「挫石で北九州記念を回避し、その後もビッシリやれていない。厩舎に近い関係者も『メイチの追い切りとは言えない』と話していたし、いつもほどの自信はないようだ。ここはサマーシリーズの優勝を目指すというより、スプリンターズSへの叩き台になるのでは」(関西記者)
ならばリトルゲルダとなるが、前走は先行有利の展開に助けられた面もある。今回も同じように行くか。
このあたりが微妙だと、サマーシリーズから転戦してきた他の馬となるが、それなら休養明けの実力馬のほうが妙味がありそうである。
「はっきり言って、サマーシリーズを目指してきた馬と、スプリンターズSを狙う馬では力が違うからね。ここも叩き台イメージを見せながらも、力であの馬が圧倒するんじゃないか」(記者)
その馬とは西園厩舎のハクサンムーンだ。
「昨年の夏に重賞2連勝し、スプリンターズSでロードカナロアの2着したときは、今年の短距離王はコノ馬って、多くの人が思っただろう。でも今年はオーシャンSで惨敗し、高松宮記念は出遅れて5着と不本意に終わった。
でも強気な西園さんが弱気なところもあったりと、春は調子そのものに疑問があった。それに比べると、今はかなり良くなっているよ。もちろん目標は本番スプリンターズSで、ここは叩き台だけど、能力の違いで押し切れるのでは」
もう一頭、同厩舎からはエーシントップが出走予定だが、こちらは見方が分かれる。
「最近はダートを主戦場にしていたが、久々に芝を使った高松宮記念で4着。2番手にいたコパノリチャードが勝ったが、実際にはレディオブオペラ、マジンプロスパーら実力馬が先行して大敗したレースで、逃げて4着は立派。恐らくハクサンムーンは本番狙いだから、西園さんはこちらでセントウルSを取りに来るのでは」
という記者もいれば、こんな話をする記者も。
「高松宮記念は重い馬場と、同厩のハクサンムーンが出遅れたことがプラスになった。恐らく今回は戸崎騎手に乗り替えたハクサンムーンが行くと思われ、エーシントップには厳しい競馬になる」
セントウルSは、いろんな意味で西園厩舎の2頭が中心になるのは間違いないが、勝算は戸崎騎手への乗り替わりで、勝負態勢が更に整ったハクサンムーンのほうが高いようである。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
WASHIZAKI
熟練競馬ライター達がとある事情で新聞・テレビなど一般メディアでは取り上げられない業界の「アウトな裏話」を会員様限定でこっそりと公開!