サマーマイルシリーズの最終戦となる京成杯AH。6頭の馬に優勝のチャンスはあるが、一番近いのはシリーズの中京記念勝ち馬サダムパテック、関屋記念勝ち馬のクラレントだ。
問題は京成杯がハンデ戦であること。単純に前走重賞勝ちの馬はハンデが更に重くなるので、この2頭がどれだけのハンデを背負わされるかに注目が集まった。発表されたハンデは、サダムパテックが中京記念より0・5キロ重い58・5キロ。クラレントは関屋記念より1キロ重い58キロだった。
「サダムパテックはGⅠ勝馬でもあるから59キロになるという予測もあったが、それより0・5キロ軽い58・5キロ。陣営は想定内と話していたが、増えたのが0・5キロなら良かったんじゃないか。
馬のほうは、中京記念が、『ようやくいい頃に戻った』と話していた通りの結果で、今回も『厩舎に戻ってきたときから元気いっぱい』と、調子はかなりいいみたい。外差しの決まる新潟コースも合っている」(関西専門紙記者)
とサマーシリーズ優勝に向けて順調のようだ。
1キロ増のクラレントはどう見ているのか。
「サダムパテックが0・5キロ増、クラレントは1キロ増というのは、橋口調教師も読んでいたようだ。ただ、お互い重賞を5つ勝っているが、相手はGⅠ勝ちの実績がある。それで0・5キロ差は、ちょっとクラレントのほうが損なイメージもある。
それから問題は仕上がり。調教時計が思っていたより遅く、これがレースへ向けてどう出るか心配なところだ」(専門紙記者)
ハンデそのものはサダムパテックのほうが重いが、実績を考えると、こちらのほうが恵まれたといえるようだ。また仕上がり面でもサダムパテック優勢だ。
サマーシリーズ優勝に近い2頭に焦点が集まってしまうが、もちろん他の馬もサマーシリーズに関係なく、虎視眈々と勝利を狙っている。
「エキストラエンドは56キロの関屋記念で大敗しているのに、今回は57キロ。ハンデ戦ならこれくらいが妥当と思われているということは、JRAの評価が結構高いんだな。個人的にも、その評価は合っていると思う。京都金杯の勝ちっぷりや、仕上り不安を囁かれながら2着した東京新聞杯の内容から、調子が戻ればGⅢならいつでも勝てる馬。特に前走は大出遅れで参考外だし、ここへ向けていい調教代わりになった」(専門誌記者)
関東の記者はサトノギャラントを挙げる。
「ハンデ戦っていうのは、前走勝ちで斤量が上がる馬よりも、負けて斤量が上がらない馬にチャンスが巡ってくる。ここならサトノギャラントがそれ。関屋記念は内枠を引いて、この馬らしい外から豪快に伸びてくる競馬ができなかったが、それでも3着に押し上げたように、差し脚比べなら負けない。クラレントとのハンデが2キロになって、今度こそ狙い目」
ハンデ戦を考えれば、妙味は負けた組。エキストラエンド、サトノギャラントが一番の狙い目になりそうだ。
(美浦ライター:高木)
栗東在住ライター:鷲崎
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