9月開催はどうしても夏競馬の名残があり、秋の競馬シーズンを本格的に感じるのが10月の京都、東京開催。つまり京都大賞典と毎日王冠からである。
「この2レースは、夏に休んでいたGⅠ級の古馬が秋初戦を迎えるレース。だから豪華な顔ぶれになり、いよいよGⅠシーズン幕開けだなって感じるね」(雑誌記者)
特に京都大賞典は頭数こそ多くないようだが、メイショウマンボ、トーセンラーのGⅠ馬2頭をはじめ、出走予定馬のほとんどが重賞ウイナーという豪華版。更に抜けた存在の馬がいないため、馬券的にも面白く、見応えのある一戦となりそうだ。ただ豪華な顔ぶれだからこそ、目標は先の馬も多いはず。ここを見極めないといけない。
「どの馬だってGⅠという目標はあるけど、それは現実に勝てそうなのか、夢のレベルなのかで差がある。現実的にGⅠを狙えるのは牡馬ならトーセンラー、牝馬ならメイショウマンボ、フーラブライドだろう。
トーセンラーは春の目標が安田記念だったが、順調さを欠いたり、得意でない重い馬場になったりで大敗。その頃に比べれば今回はデキも上がっている。ただ秋の目標はマイルCS2連覇。昨年も京都大賞典は2番人気ながら3着に敗れ、大波乱(馬連が900倍)の要因になっている。不調の武豊騎手だけに、目の前の勝利を意識して勝ちに来る可能性もあるけど」(栗東記者、以下同)
仕上げ上手の藤原英厩舎なので恥ずかしい競馬にはならないだろうが、必勝態勢かというと疑問は残る。
牝馬のメイショウマンボ、フーラブライドはともにエリザベス女王杯が目標だ。
「メイショウマンボは相変わらず調教は走っているので、馬は好調に見える。ただ大阪杯では牡馬相手に惨敗したからね。精神面で難しいところがあるし、ヴィクトアリアマイルで激走したように、安心して買えるのは牝馬同士のエリザベス女王杯だろう。
フーラブライドは2400mなら牡馬相手にも負けないくらいの力量はある。ただ休み明けで走るタイプじゃないし、実際1週前でも少し重さが残っていた。これも目標はエリザベスだから、本気度は薄いと見てるのだが」
逆にデスペラード、ヒットザターゲット、ラストインパクトらは秋の目標がどこなのか微妙な馬たち。つまり京都大賞典で勝負に出る可能性が十分ある。
「ラストインパクトは夏に2戦してるし、前走はタイム差無しに走っているから上がり目はどうかな。
ヒットザターゲットは昨年の覇者だから、当然ここは狙い打ってくるだろう。昨年は馬場の中程を通って勝ったが、元はインを頼って走っていた馬。開幕週で、鞍上が岩田騎手、更に少頭数となれば、イン衝きが決まるかもしれない。
そしてデスペラード。以前は追い込み馬だったが、京都記念で横山典騎手がまさかの逃げ戦法に出て、そのまま後続を完封している。今回もこれといった先行馬がいないから、再度の逃げがあるかもしれない。京都記念とほぼ同じコース(距離が1F違うだけ)だし、秋の天皇賞を狙うってタイプでじゃないから、まずはしっかりGⅡのここを勝ちに来るだろう」
京都の開幕週は、先行した馬や内を通った馬が有利なのは定番。これに見合ったヒットザターゲット、デスペラードは、特に注目だ。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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